2009年08月03日

ペットボトル

<<< ペットボトル >>>   詩 中尾彰秀    詩人・ピアニスト
                                 関西詩人協会会員

  いかなる経路を得て
  ここに至ったのか
  とやかく言う無意味を
  知り尽くしたごとく
  無造作に
  空地のど真ん中
  捨てられたペットボトルは
  何れにせよ
  飲み終えたものらしく
  すっくと立ち
  背後に迫る紅葉に染まりもせず
  次の行方を待っているかに見えたが
  名月の夜
  内を満たした露と空気の美味に酔いつつ
  真っ向から
  天を仰いでいるのだ
  
  もしも
  美しい平和な時代がやってくる時は
  お役に立ちましょう
  
  おごそかな気持ちで
  ボトルを吹いてみる
  どこかで覚えのある懐かしい音
  深い森を歩いている時
  風 枝 草 見逃すほどの小さい川
  幾つもの幾つもの音ならぬ音が合わさって
  新たなさらに深い静けさの出来るそんな



Posted by nakao at 15:11│Comments(0)芸術
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