2009年08月22日

あなたの人生を至福にする百の詩集(18)

<<<あなたの人生を至福にする百の詩集(18)>>>    詩評 中尾彰秀  

   「ヘリオトロープの花たち」   蔭山辰子詩集  竹林館 2000円+税

 出版2007年、40篇、128ページ、A5版。武市りえ氏による表紙花の絵は、人間の持
つやさしさを凝縮している。植物ってすごい、それを描く我々人間もすごい。草花と一体にな
る平和心は、もともとしっかりとした心を持っていて初めて可能である。また、そういう生き方
がなければ不可能。

  「ヘリオトロープの花たち」
<むらさき色のパンジー ピーチ色のサクラ草 黄色のラナンキュラス 道端の花たち みん
な こっちを見ている  「どの家も上手に咲かせているわ みんな私をみているわ」 「花は
みんなヘリオトロープなのだ」 「ヘリオトロープって香水のことじゃないの」 「花はみんな太
陽に向かって咲くものだ」 香水で有名なヘリオトロープ 木立ち瑠璃草 ニオイスミレのこと
向日性 ギリシャ語で 「ヘリオトロープ」 太陽に向かうという意味 花言葉は”献身的な愛”
いつもあなたを見ている 私の好きなヘリオトロープは三色すみれ 花言葉は‘私を見てくだ
さい‘ 春の進んだ昼下がり 夫とのたわいない会話で歩む 今日は 時間がゆっくり流れた>
 「ころころころろ なんの音」
<ころころ ころろ なんの音 青空たかく 風にのり 遠くに行こうと ドングリの 枝から落ち
た 夢の音  ちりちり ちりり なんの音 雪のこどもが さよならと 北のお国の シベリアに
帰って鳴らした 星の音  さらさら さらら なんの音 竹のはやしの 細いみち 竹から生ま
れた 姫さまの 風に揺られた 袖の音>

   音楽家でもある詩人は、気楽に歌って詩になって、詩を書いて歌になって、ルルルルン。
  陸上競技のボルト氏ではないが、気楽が目に見えぬ力を発揮する。2007年「たつこCRO
  SSPOEM賞」受賞。




Posted by nakao at 15:14│Comments(0)芸術
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