2009年09月30日

揺らいで鳴いて

<<< 揺らいで鳴いて >>>  詩 中尾彰秀  詩人・ピアニスト

有名な寺のある山の南東は
   広大な田畑にポツポツと
       大きな旧家があって
           赤バイクで走りながら
               私は見た
           既に失った自らの分身
               金融の仕事をしていた時は
                    草木の揺らぎや鳥の鳴き声が
                         痛く胸に沁み入った
              今は退職して
                 人を手段とする戦略を
                     背負っていないから
         とてつもなくすんなりと私は
             木ほど高くは伸びず
                鳥ほど自由に飛べぬが
                   決して負けぬほど
               揺らいで鳴いて
                  等しく大地に立てる



Posted by nakao at 17:11│Comments(0)芸術
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