2009年10月12日

粘着力

<<< 粘着力 >>>  中尾彰秀詩集「気踏歌」
                  竹林館 2300円+税

   南方熊楠の愛用していた鉄アレイが、展示されていた。県立文化情報センター。
  熊楠の手垢と汗に混じって、粘菌ならぬ粘着力が残っているような。ショーケースの
  ガラスを透過して、私の想像力の掌が伸びる・・・。

        「粘着力」

<この頼もしき粘着力 紀州山脈の弾けしな私は たなびく足裏で風の懐を育てる
その頼もしき粘着力 外を向きながらひたすら内向く人生の 生き様死をも含んでは
じめて ここから遙かなここへ原始転換 あの頼もしき粘着力 矢ばねすらないのに
なぜいのちは 疾走する矢か 一億本の矢背負う人非人は 誰か あの粘着力その
ものから生じる 矢 座しつつ疾走する事によって 生じる矢 矢に見事射抜かれて
ほとばしる 愛に>

    中尾彰秀第9詩集 「気踏歌」 A5版、104ぺージ、詩28編

(購入法) 郵便振替 森羅通信の会 00940-4-29604 定価2300円+送料200円
                       (おお供養を世に苦労多し)





Posted by nakao at 17:42│Comments(0)芸術
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