2009年12月26日

あなたの人生を至福にする百の詩集(33)

<あなたの人生を至福にする百の詩集(33)>  記 中尾彰秀  詩人・ピアニスト・ヒーラー
                                         ライフ&ライブコンサルタント

   「 水源の日 」  名古きよえ詩集  土曜美術社 2000円+税
                          A5版 29篇 111ページ

         「ひたひたと」

<ひたひたと ひとの足音がきこえる 森の落ち葉を踏みしめながら 瀬音のように そよ風のように
山で暮らした 多くのひとたち 神の子にもどり 自由に 愛する森を歩く すたすた すたと 
日は 尾根を帽子のように照らし 木々の葉は 五色のみどり 空を掃く旺盛な勢い    薪を背負う
ひと 藤つたで編んだ籠に 独活 薇を入れるひと 赤ちゃんを抱いているひと   木漏れ日 鳥の子
色いろにちらつく山道 ひたひたひたと かなりの速さで 腐葉土 木の根を踏みしめて 霊気は青く
満ち足り 先を行くわたしに 命のリズムを重く手渡し 足もとの土に水晶の目を落とす   ひたひた
すたすた ひたひたひた ひた>

      「水源の日」 -----------「みなもとの日」 ------------「皆のもとの日」
      かつてあった故郷を、自らの内に築くこと。
      決して、故郷そのまま再現でなく、自らの魂の内に。
      にも拘らず、詩ことばそのものは、故郷再現願望のごとく、即物次元に重なる。
      単純な即物生活が、しかし、高い精神性・哲学性・癒し波動を持つ禅の様な不思議法則。
      それは世に巷ある俳句ならぬ、高次元の俳句によって既に認知されている。
      
      いったい何人が理解するだろう。いかがでしょう、とばかりに、念押しのごとく、各詩の後ろ
      の俳句と表紙の水割れの様な現代美術が、詩と共にひかる。


     



Posted by nakao at 18:24│Comments(0)芸術
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