2010年02月02日

NUDETAOHOUSE

< NUDE TAO HOUSE >  中尾彰秀詩集 森羅通信の会 定価2000円
                            出版1992年 A5版 88頁 25篇

   「丘」

< かつての民家を ほんの小さな木片に 見てしまうのは この丘の魔力か
かつての民家の大黒柱を 「うーん」一声 排泄した塊に 見出してしまうのは
この丘の頂の魔力か ならば尻は大雲で拭き 飛翔する鳥に向かって 打ち
上げてやろうか 白い体液 おお 初めての風景でも 見覚えのある訳のごとく
胸の奥の丘に 潜むお前は 何の魔力    お前そのものは 民家と言う民家
が 床下に囲っていた 何と厖大な虚無 いつの時代であろうと お前がいる処
きっと私は住んでいた お前が月と太陽の皺を ゆっくり結び始め 円やかな環
を描き 上昇するにつれ 私は空を抱き 民家軋み和音が 一歩半後ろを吹き
抜けるから 民家もつ丘たる丘よ 遠景の自然破壊はいたしかたないとして
不思議の境はそのままに>

    丘がおかしくなって、おかしさを消滅した。
    おかしくない丘は、丘ではない。
    丘に登って、朝日と夕日を見る楽しさすら遠く去り。
    丘 丘 丘
    身近な丘はどこですか。
    
 「NUDE TAO HOUSE」  中尾彰秀詩集
(購入法)郵便振替 森羅通信の会 00940-4-29604 定価2000円+送料200円



Posted by nakao at 17:42│Comments(0)芸術
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