2010年06月19日

水滴

<水滴>  記 中尾彰秀   詩人・ピアニスト・ヒーラー

   あなたの人生を至福にする百の詩集(56)

 「何事もなかったかのように」  中尾彰秀詩集  編集工房ノア 定価2000円+税
                             A5版 111頁 30篇 出版1996年

      ふと幻想を抱くことがある
      一滴の水が
      海のごとく広々無限に
      大海が
      一滴の掌に乗ってしまう
      水であったり
      
      梵我一如

      何れもそれはそれとして
      私の内を
      永遠の川流れ

           「水滴」

<熟さぬがゆえ 却って 私の内部に入る 
 熟しているがゆえ 却って 熟していないかのごとく
 何の媒体も求めず ただそこに在り 
 ないかのごとく そのまま そのまま
 水滴はいつも完結している

 私は一体幾つの水滴なのか私よ

 何もない空間に手を射しこみ握る
 私は丸ごと消えながら もう一方の私は
 この小さな外円にはち切れんとしている

 遙かな青い内海ウツクシク
 遙かな薄青い地球ウツクシク

 血しぶきながら大股で横切った
 あの あの愛すべきペリカン
 自ら壊しておきながら 必死に修復試みるあの
 あの愛すべきニンゲン

 はち切れ はち切れているその波 波よ>

   中尾彰秀第10詩集「何事もなかったかのように」

(購入法) 郵便振替 森羅通信の会 00940-4-29604
              定価2000円+送料200円
 




Posted by nakao at 11:37│Comments(0)芸術
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