2011年04月03日

おいしい塩

<おいしい塩> 記 中尾彰秀          詩人・ピアニスト・ヒーラー

 みんなの人生を至福にする百の詩集(8)

 「おいしい塩」 神田さよ詩集 編集工房ノア 2007年出版 定価2000円+税
                            A5版 44篇 141ページ

 おいしい音は
 感情の次元を超え、深い哀愁に満ちて
 その旋律は
 身体の奥に宇宙を見出す

 おいしい俳優は
 どんな役にも
 自分の持ち味と思想を入れ
 飽きさせない

 おいしい夫婦は
 お互いの自由を認め
 お互い尊敬できる生き方をしている

 おいしい料理は
 素材の特徴を
 十二分に生かし薄味

 おいしい詩の会は
 権威を否定し、代表者が常に
 創造性の最先端を
 散歩している

 おいしい会社は
 たかが出世の為人を犠牲にするエライさんを
 即座に首にし
 社員一同世のため人のため
 奉仕の心で働いている

 おいしい国は
 企業や官僚の利益でなく
 国民の平和と愛の為に運営され
 いざピンチの時
 世界中から助けが来る

 おいしい詩は
 常に奇想天外を持ちながら
 透明で澄んだ湖をたたえている
 書こうと力んではいけない
 自然と詩の方からやって来る

      「おいしい塩」

<そのひとが くれた塩 -おいしい塩 といって

 すこし舌にのせる 結晶がくずれ 舌がしびれる 水をのむ
 ふたたび ひとつまみの塩 刺す辛さ 水をのむ どんどんのむ
 体の中が海になる 浮かぶ 沈む 舌>



Posted by nakao at 17:20│Comments(0)芸術
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。