2011年08月03日

絶妙

<絶妙> 詩 中尾彰秀           詩人・ピアニスト・ヒーラー

 冷めてゆくほどに
 想いは厚く研ぎ澄まされ
 生命の掌の届く範囲を
 無限に拡げようとする
 こうして呼吸を円やかに握れるのは
 愛の究極

 灼熱の昼が
 徐々に冷めてゆく
 帰るころ合いの夕刻
 蝉は徐々に鳴きを
 固いポケットに納め
 全ての車は徐々に
 内陸へとコースを選ぶ
 光の角度はもうほとんどない

 昼間の内に現象を抜け出した
 風景の精は
 カラスより一足先に
 森の奥へ純化を果たしに行った
 それがゆえ人間の魂は
 森羅万象一如の一点に
 今 回帰する

 この絶妙に晒されつつ
 知人にも出くわさなかったので
 満面の微笑は
 ツンとしたあのビルにあげよう



Posted by nakao at 18:27│Comments(0)芸術
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