2011年10月27日

詩人 飛鳥彰

<詩人 飛鳥彰> 記 中尾彰秀             詩人・ピアニスト・ヒーラー

 雑感アンソロ(10)      「アンソロジー風Ⅹ 2011」 竹林館  2500円 より

        「詩人の時代」    飛鳥彰

<詩の朗読が憭原の火となってあちこちに燃え広がる
 ことばにいのちが吹き込まれ さまざまな形をとって燃えあがる
 明日はあなたが舞台に立つ番だ いま居る場所を愛しながら
 明日は君がスポットライトを浴びる番だ 生きる瞬間を煌めかせ

 明日はきみとぼくがどこかのライブハウスの天井桟敷から
 詩人たちをながめている日だ 星の誕生する銀河を見るように
 明日はぼくが詩篇をたずさえて神戸や京都の町や大阪の路地を
 風に吹かれて歩く 黄色いリボンを巻いた帽子をまぶかにかぶり

 明日はあまたのことばがぼくのいのちの奥のその奥の
 不思議の泉から火の束となって湧いてきたりする日となるだろう
 明日は若いきみたちが年老いたものと蔵の中の古書を繙くように
 詩など楽しく愉快に語り合う日だ 喫茶スワンの椅子にもたれて

 ぼくたちはアーモンドや杏やさくらが色ずく春の野外音楽堂にも
 青い鵜鵜が水を飲み ひまわりが黄色を噴き上げる夏の岸辺にも
 女体に描かれた火の鳥のようにさざなみに病葉が浮かぶ秋の黄昏にも
 オリオンが天下る冬の夜にもすべてのものに光と影を見るだろう

 ぼくたちは哀しいほどに陰と陽を感じ太陽と月と星を感じるだろう
 生と死を感じ病と老いを感じるだろう 記憶と郷愁のはざまで
 そして 再び光を感じるだろう しかし それらはすべて光なのだ
 ぼくたちをとりまくすべてのものが いまいるこの場所に

 今は詩の世紀 詩人の時代だ! 大地が震裂し大津波が襲う時代に
 そっと胸の奥から声を出してみる 胸の泉が言葉の矢を噴き上げる
 一陣の風がサルスベリの木をしなやかにしならせて吹き抜けていく
 ようやく詩人の時代がやってきた 地より湧き出る詩人の時代が!>

       長詩。説明ではあるが誰にも解るという利点がある。
       なお、的を得ているのだ。
       飛鳥氏は言わば、インターネットの貴公子。名を検索
       すれば出てくる。詩 映像 フュージョン風の作曲。
       世界的な「ポエムシュールロマンチシズム賞」受賞。

 * 前項の詩人川中實人は、「雑感アンソロ(9)」の表示を忘れました。



Posted by nakao at 17:21│Comments(0)芸術
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