2011年11月30日

武西良和新詩集

<武西良和新詩集> 記 中尾彰秀         詩人・ピアニスト・ヒーラー

 みんなの人生を至福にする百の詩集(35)

 「プロフェッショナル」 武西良和詩集 土曜美術社 2011年 A5版 36篇 111頁

       馬頭琴にせよ何にせよ、東洋の楽器は大自然に近い。
       西欧音楽の様にメリハリよく音階を作っていない。
       旋律にせよあまり意識頭で、切り刻んではいない。
       その意味で、もしも、記憶と言うコピーを超えて、楽器に
       忠実に演奏されれば、波動音楽の可能性がある。

       この詩集で語るプロとは、熟練によって理知の構造性を
       超えた得も知れぬ波調のものを出現させる人。

           「やきもの」

<窯にくべる 薪 薪が吐き出す 炎

 つぎつぎと送り込まれ

 押し込められた腹いせに 息を潜めた幾つもの土の形に 体当たりし
 怒りを爆発させる

 炎は均されることを嫌う 

 窯の前で男は火に 祈り あらゆるものを燃やして自分を 空の器にしていく

 もがき続けた 炎が去ったあと 静かになって器が取り出され つぶやき始める

 小さく語ろうとするもの 大きく語ろうとするもの

 だがうまく語れているわけではない 小さすぎて 饒舌になっているものがあり
 大き過ぎてなお 語り尽くせぬものがある

 それぞれの不整合から生まれた声は がらんどうになった男のなかに 木霊し  
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Posted by nakao at 17:02│Comments(0)芸術
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