2012年03月30日

藤谷恵一郎の詩

<藤谷恵一郎の詩> 記 中尾彰秀              詩人・ピアニスト・ヒーラー

     「絵本」       詩誌「叢生」第179号

<水溜まりがあると 妹はしゃがみこんで 水溜まりに映る空と自分を見ていた

 しばらくその時間を許した後 絵本の最後のページを閉じるように 私は小石を
 そっと 水溜まりに落とす

 妹は水面から飛び立つものを追うように 立ち上がる 私は妹を抱きとめ 
 手をつないで歩き出す 飛び立ったものの羽風をどこかに感じながら・・・・・>

       正に絵に描いたような詩。しかし、不思議な
       元初のような世界そのものの泡立ちがある。
       哀愁と言っても良い。つい見落としてしまいが
       ちな切り立ちはどんなものにもある。天才詩人
       はそれを見逃さない。




Posted by nakao at 21:31│Comments(0)芸術
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