2012年07月17日

春木吉彦詩集

<春木吉彦詩集> 記 中尾彰秀             詩人・ピアニスト・ヒーラー

 みんなの人生を至福にする百の詩集(63)

 「静かなる朝」 春木吉彦詩集  竹林館  2012年 A5版 142ページ 42篇
                            定価 2700円+税

       表紙写真は優れた現代いけばなの大家のもの。
       枯れ枝が一つの宇宙を形成する。詩語はもう要ら
       ぬかのごとき逆説は、詩神を目覚めさせる。

       自らの作品を誇示するより、知人の作や郷土の
       作家の批評をするも、彼らのひざ元で、静かな朝
       のごとく控えている御人。いざ詩作品は古典象徴
       抒情の美しさ。あえて分析にいそしむことなく、直観
       で大自然の「なぜは解け」、生命の感謝と充足を大
       切に、ことのはを遊ぶ詩人。
            イエイ!!いにしえの粋!

          「わが街-------いつも いまに 喜びを」

<バラの門をくぐり 海の向こうから走って来た自転車 山茶花の塀の入口に
 やって来た。

 大草原をぐんぐんかけめぐる青い自転車。 山の稜線を日輪にかがやかす
 白い自転車。 雪の上を地平線まで一直線に突き抜ける道に赤い自転車。
 若葉がかがやき 風をきり うつくしき小川の鈴の音の聞こえる夏まで
 いっきに かけぬけて来た 堺の自転車。 お父さんを励まし 子供を育み
 お母さんの笑顔が重なるを 運んで来た 堺の自転車。 自転車を買っても
 らった夜の あの幼い頃の夢のなか 自分の力で自分の思うように この自
 分のバランスが サーカスのピエロを 初めて演じた気持ち その誇らしげな
  喜びの紅潮の顔をさせてくれた自転車。 少年だったお父さん 少女だった
 お母さんが語ってくれる 自転車の初乗りのひとこま。 友達にみせびらかせ
  自転車で家の手伝い そしてちょっぴりびっくりするほど大遠征 ・・・・・・・・
 ああ 私達の星座めぐりを駆使してくれる わが相棒。 堺の自転車。 ・・・>



Posted by nakao at 16:52│Comments(0)芸術
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