2012年08月16日

ビルマ戦記

<ビルマ戦記> 記 中尾彰秀                詩人・ピアニスト・ヒーラー

 みんなの人生を至福にする百の詩集(72)

 「ビルマ戦記」 筧槇二詩集 VAN書房 文庫判 1989年 定価800円 41篇 113頁

 これを読まずして、反戦も反原発も平和もない。
 日本という国の犯したかつての現実は、無くすことはできない。
 それを体験せざるを得なかった多くの方々に、
 敬服し冥福を祈ります。
 日本は戦後、アメリカの真似をしてさせられて、
 自由競争と高度成長に目が眩み、物欲次元に溺れ
 魂を忘れ去った。
 人類はこれから眼を覚まさねばならない。
 EARTHPOEMに!!

      「大隊長の死」

<大隊長の死んだあと モガウンの大三隊長は総くずれである 兵員百七名のうち
 残存者六十八名

 水は一滴もない 小さな蓮の露を少しずつ水筒に入れる 飲むためではない 死ぬ
 ときの末期の水のためである飲み食ひなしのくせに 水のような便が出る 昼間は
 垂れ流しである 全身の疥癬 両脚の浮腫

 死骸は埋めよ 腕でも 指でも 切りとって持ち帰るべし 二十二時までに終了のこと

 できません 撤退などできません 苦しんでいる負傷兵 死んだ戦友たち できません
 残置などできません

 連隊長はくるりとうしろを向いた 背中の泣き声がくりかえした 「命令だ。」

 大隊長の遺言 「おれは、多くの兵を殺してしまった。申し訳ない。この陣地を腹切り
 陣地と思ってゐる。福官、お前が一番今までのことをよく知ってゐる。身体に気をつけ
 て、決して死ぬなよ。あとを頼むぞ」 ------- 第三大隊本部 〇〇副官記  ・・・・・>



Posted by nakao at 12:20│Comments(0)芸術
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