2012年10月05日

田中昌雄新詩集

<田中昌雄新詩集> 記 中尾彰秀              詩人・ピアニスト・ヒーラー

 みんなの人生を至福にする百の詩集(79)

 「ユウ」  田中昌雄詩集  編集工房ノア 2012年 2000円+税 A5版 95頁 20篇

      一つ一つの現象に、陰と陽のエネルギーが同時に
      やってきて魂は等しく受け取ってしまう詩人。結果、
      混乱した心が悲しみばかりを掴む。これも純粋さの
      一つのあり方かもしれない。しかし時に、心は飛躍
      して魂の哀しみに共鳴ることもある。

      迷わず迷っていてもいつも実在はリアルだからだ。
      人あるいは存在は、ここにありながら遥かなここを
      位置する一つの宇宙の答えだから。いかにむごた
      らしくとも美しいものとして、体験はやってくるのだ。
      その時聞こえるわらべ唄。天降るインプロヴィゼイシ
      ヨンは死人も奏じる。

           「散会のあとの風景」

<もう終わった、みたいよ と、きみは云って つぼみをつけない 花、みたいに
 笑った

 ぼくは、 位置を解かれて 点景のひとつひとつに還った みんなを視ていた

 きみはぼくをすわらせて ひとり、即興の わらべ唄をうたった

 まるで僕たちの、 ついばまれた愛の 風葬のレクイエムであるかのように>



Posted by nakao at 15:25│Comments(0)芸術
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