2013年02月14日

消しゴムのような夕日

<消しゴムのような夕日> 詩評 中尾彰秀            詩人・ピアニスト・ヒーラー

 <その日の夕方 ビルの斜面は 夕日に照らされていた
  
  なぜか小さく見える人々 細い木の枝のようにわたしも 夕日を眺めていた

  人だけが夕日を見るのではないだろう サルやシカ 川で魚を捕っていた鷺
  向こうへ逝った人たちも 夕日を眺めるだろう

  昼のひと時 電線を張り巡らせたように 言葉が空を塞いだ

  言葉で人を傷つける人がいた 性ない言葉で 人を名ざしで批評した
  人の心は言葉に弱い

  多くの人は触れば怪我をするとでもいうように 静かだった 赤い夕日は
  街の上だけでなく 獣も人も一様に照らし 永遠のように 美しく またね
  あしたと心を温める

  怒った人も 泣いた人も眠るだろう その夜 息を引き取る人もあるだろう
  一刻 一刻なんて 忘れて> 

      名古きよえ詩集  「消しゴムのような夕日」 土曜美術社出版より

        自らは大自然を愛でながら、凶器のごとき
        現代文明を批判する。それとなく。そこには
        確かな目がある。そして、静かな心。
        見た目には消しゴムの様に簡単に消えてし
        まう夕日であるが、永遠の循環は宇宙の摂
        理なのだ。その中で多くの人は、感情に支配
        されているが、抒情でなく感情を超えた宇宙
        一体波動こそが癒したる答えである。
           



Posted by nakao at 17:23│Comments(0)芸術
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