2014年01月14日

かぐやの月

<かぐやの月> 記 中尾彰秀                    詩人・ピアニスト・ヒーラー

 名文を持って
 これを何と言うか
 歳月の兎と言う

 さりげない平凡な日々は
 しかし実は黄金に輝いている
 何にもない何でもある
 本当の豊かさを
 教えてくれている

 たましいのひびきというやつだよ
 うちなるかみのささやきだよ
 いやしのかぜのつめたさだよ

 苗村和正詩集 「歳月という兎」 2012年 編集工房ノア 2000円+税 A5版 

       「かぐやの月」

<まっしろな雲を羽衣のようにきれぎれに纏った、青い天体が、月面の荒野をゆっくりと
 沈んでいく。  あれが地球だと、なんども自分にいいきかせてみるのだが、事実は想
 像の領域をやすやすとこえて奔っていく。いま月間のどこかに立っていて、そこから地
 球をみているということなら、こうも複雑な思いに沈みこむことはないだろう。

 ぼくという人間が、いま地球におりそのぼくが現実の地球の姿をながめているというこ 
 とは、ひどく居心地のわるいことだ。
 それにしてもかぐやがみせてくれた青い地球は、ぼくらが日々目にし、耳にしている、
 おぞましく血塗られた地球上の出来事とは、およそ無縁であるかのように、いとおしい
 ばかりに美しい。
 地球という星は、やっぱりかけがえのないいのちの星なのだ。

 ぼくはさっきまで、川沿いの草の道を犬のポリーと一緒に走っていた。・・・・・>

        



Posted by nakao at 17:45│Comments(0)
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