2014年02月07日

岩本健旧詩集

<岩本健旧詩集> 記 中尾彰秀                詩人・ピアニスト・ヒーラー

 世界を至福にする百の詩集(63)

 「岩本健詩集」 日本詩人叢書81 近文社 1000円 1989年 60頁 22篇

         これ程までに徹底して、自虐・ブラックユーモア
         世界の神秘すらも皮肉る凄味の詩人は稀である。
         感情の底のフィルターを外して改めて、どんな思いが
         出でるのか。心の本体とは何か。自らの本質とは何か。
         いつしか突き止めてやるという意気込み。

         人間の心の知をすなわちフィルターを外して初めて
         至る何かはえんえんと一皮ずれて、神秘であるのだ。
         言葉は容易くも空虚と言うが。エネルギー波動という
         愛と感謝の前で3次元のものは光に転換するのだ。
         愛に目覚めぬところのあらゆる知は、
         人間の作り出した地獄である。波動曼荼羅をこそ。

             「拳」

<机の上に切り落とした拳 仏の岩本と 呼ばれ続けて来たが 人々の愚劣な
 悪意の数々に 耐え抜いてきた 憎悪が 掌に凝固して 岩本健の意に反して
 近ずく者は 誰をも 抹殺しようと 拳は 殺気に充ちて 堅く 強く 握りしめられる。
 拳は 岩本健と  全く関わりなく 次々と 殺人を犯す 危険性を はらんでいる
 だから 仏の岩本は 両の拳を 裁断機で 切り落とした。

 その拳は 机の上に 無念さの 血にまみれながら 在る。>



Posted by nakao at 17:23│Comments(0)
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