2014年02月18日

踊り子の花たち

<踊り子の花たち> 記 中尾彰秀               詩人・ピアニスト・ヒーラー

      「踊り子の花たち」

<風と遊ぶ花がある ひらひらと蝶と遊ぶ花がある 厳しい夏の日差しのなか 立葵の花の赤
 恋する女の紅の色 女は無くした恋にため息ひとつ 残して去り いつか私も紅の花を袖に眠り
 泡沫の 夢など見たいもの

 特攻花ともいわれる 黄色のうさぎ草長い首を揺らし 平和の歌をうたっている 薄暮れに香る
 真白のお白い花 彼が待つ神社の石段を 登る少女の瞳に宿り 一途な恋の花を咲かせてい
 る 初夏から開いて ひらく 黄花コスモスは 秋の秘密をしっかり抱いて

 揺れている 風の花びら 百日草やコメ花は私に幼いこ頃の 記憶を手繰り寄せ 呼び起こす
 ビロードの服を着た赤紫と 白の小花は荒れた心を耕し 癒してくれる 真夏に咲くなすびの花
 の紫色は 私の胸でブローチになって競いながら咲いている 

 踊り子の花のコスモスは風に揺れ つかの間ダンスを踊る しなやかに 柔らかな蕾の唇開き
 傍を通る女たちを呼んでいる 白やピンクレッドのコスモスが 首を長くして踊るのは あなたに 
 合いたいから

 一瞬風が止み 立ち止まった ふりかえり 徐々に・・・ 女たちも赤い唇を開いていく>

        志田静枝詩集 「踊り子の花たち」 コールサック出版より

     反戦反戦と歌わなくとも、自ら平和心を持つことこそ
     最大の反戦。世界が熟れるという黄金律を、深い哀愁
     抱きながら花とともに奏じる。他ならぬそれは鎮魂。
     あるいは、世界が世界を止揚している。一瞬風が止み
     立ち止まる。詩人はしかし、詩を離れての行為が大切
     である。声高だかに、医食同源、平和への政治を訴え
     ねばならない。
 



Posted by nakao at 17:15│Comments(0)
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