2012年06月19日

清沢桂太郎詩集

<清沢桂太郎詩集> 記 中尾彰秀            詩人・ピアニスト・ヒーラー

 みんなの人生を至福にする百の詩集(59)

 「シリウスよりも」  清沢桂太郎詩集 竹林館 2012年 2000円+税
                        A5版 38篇 160ページ

         「シリウスよりも」

<私たちは夜空の星 昼間の輝く太陽は佛と神

 佛や神が輝いているときは 星が見えないように 私たちの存在は見えない

 しかし 太陽が没したとき 私たちは夜空に輝く マイナス一等星もあれば
 0等星 2等星 6等星もある

 私たちは太陽が没した夜でしか その存在は分からないが 6等星よりは
 5等星の明るさで 5等星よりは1等星の明るさで できれば幾人もの人が
 絶望と迷いのなかで見上げた マイナス1.44等星のシりウスよりも
 明るく輝く星でありたい>

        「コスモス」

<コスモスが咲いている 道ばたで咲いている 畑で咲いている

 濃い赤紫 淡い赤紫 白 皆んな皆んな自分の色で 咲いている

 優しい風が渡ってくると 風のままに揺れている コスモスが咲いている
 人が見ようが見まいが 自分の色と形で咲いている

 どこまでも青い空の下 優しい陽を受け 人が見ようが見まいが
 渡りくる風に揺れながら コスモスは咲いている>

      空しさは頭--------知性・理知の産物
      魂のほとめきは全身全霊の生命-------悟性の産物
      
      知はいつまでたっても、実存的空しさを超えられぬが
      悟性たる命そのものは、初めから終わりなく空しさを
      超えた、歓喜・充足である。よく宗教や各種ヒーリング
      では、頭を取れば悟れると言うが、確かに現代人は
      学校で学んだ頭だけの次元、すなわち知力に偏重し
      ている。

      知的お勉強の嘘八百に気付く学者詩人は、
      生命の抒情に突入する。  


Posted by nakao at 21:27Comments(0)芸術