2013年06月08日

深呼吸

<深呼吸> 詩 中尾彰秀                   詩人・ピアニスト・ヒーラー

 深呼吸すると
 これまで手の届かなかった
 細胞の奥襞のテラス
 夜中なのにテケテケ明るくて
 幾人もの妖精が
 着のみ着のまま
 コーヒーを飲んでいる
 五色の虹色の
 そのゼリー状のコーヒーは
 美味ですか

 いえい  月の雫の香ばしさ
       あらゆる体内時計を満潮にする
 うふふ  出来たての古代の風の鈴やかさ
       足元軽く誰しもが永遠の旅人となる
 あはは  森の奥の湖の苔の香
       じんわり唾液から開花する
 おほほ  オーロラ首にまとってダンスする
       地球の回転臭って少し恥ずかしい
 えへへ  日の出の赤い赤い舌触り
       やはり風の言葉贈ります

 残念であった
 とても痛い過去が
 必要であったのだと
 奥深い意味をもって
 足場もろとも
 またとない光彩に包まれる
 一点の無限を
 数百年来養う近所の丘で
 名もない野草は
 かもくに茂り
 気付いてみれば
 今を感謝で満たす
 私は私だ
 驚くまでもなく
 未来を含め既に全ては
 成就され
 色即是空 空即是色 
 呼吸とは
 自ら作る
 風なのだ
       
        


Posted by nakao at 16:21Comments(0)芸術