2013年06月10日
清水一郎新詩集
<清水一郎新詩集> 記 中尾彰秀 詩人・ピアニスト・ヒーラー
世界を至福にする百の詩集(20)
「糸とりうた」 清水一郎詩集 2013年 竹林館 A5版 30篇 96頁 1800円+税
懐かしさに浸りつつ
過去を浄化する
不思議な力を持っているのは
大自然か人間か
はたまた
人間の内に存する大自然
詩人はそれを胸に抱き
本能的に書いている
それは”歌”
宗教家はそれを
“信心”と言い
写真家はそれを
“黄金律”と言う
ヒーリング好きはそれを
“癒し”と言う
ジャンルをまだ持たぬ子供は
何と言うのだろう
何と教えればいい?
みなもと
ゆめ
しずけさ
いつくしみ
やさしさ
「糸とりうた」
<崑侖の里から渡来した 一握りのワタの種 出会いにこたえて とおいおやは
種を播く 花咲く岡は風の通り道だった
ぐいと伸びた枝に 桃に似た実がずらりと並ぶ 秋も過ぎて 岡に木枯らしの渡る頃
桃の実はじけてワタを吹く 二度目の花かと目を目堂る
美しくいて実直なワタの木に ほれこんでしまった とおいおや えにしをたどれば
かすかにきこえる 糸とりうたは空耳でしょうか>
世界を至福にする百の詩集(20)
「糸とりうた」 清水一郎詩集 2013年 竹林館 A5版 30篇 96頁 1800円+税
懐かしさに浸りつつ
過去を浄化する
不思議な力を持っているのは
大自然か人間か
はたまた
人間の内に存する大自然
詩人はそれを胸に抱き
本能的に書いている
それは”歌”
宗教家はそれを
“信心”と言い
写真家はそれを
“黄金律”と言う
ヒーリング好きはそれを
“癒し”と言う
ジャンルをまだ持たぬ子供は
何と言うのだろう
何と教えればいい?
みなもと
ゆめ
しずけさ
いつくしみ
やさしさ
「糸とりうた」
<崑侖の里から渡来した 一握りのワタの種 出会いにこたえて とおいおやは
種を播く 花咲く岡は風の通り道だった
ぐいと伸びた枝に 桃に似た実がずらりと並ぶ 秋も過ぎて 岡に木枯らしの渡る頃
桃の実はじけてワタを吹く 二度目の花かと目を目堂る
美しくいて実直なワタの木に ほれこんでしまった とおいおや えにしをたどれば
かすかにきこえる 糸とりうたは空耳でしょうか>
2013年06月10日
移動の反対
<移動の反対> 詩 中尾彰秀 詩人・ピアニスト・ヒーラー
座したまま
北へ移動
海と山
何れもが見える
電力を使い過ぎる便利な時代
これ以上速さを競うと危険
江戸より200年
いかにも進歩した技術を
祝うべきかあるいは
それにしても
4が4回
昨晩の地震
被害にならなかったものの
家は移動せぬから
振動に弱い
人間は移動して
地震などもう忘れ
あそこでごちゃごちゃ
どこかでごちゃごちゃ
果ては
こんな生き方あるんやと
社会に矢を射る
空梅雨夏近し
いつもながら私のテーマは
移動の反対
今ここに居ながら
瞬間の永遠
もんぺと鍬なしで
魂の土壌耕す
座したまま
北へ移動
海と山
何れもが見える
電力を使い過ぎる便利な時代
これ以上速さを競うと危険
江戸より200年
いかにも進歩した技術を
祝うべきかあるいは
それにしても
4が4回
昨晩の地震
被害にならなかったものの
家は移動せぬから
振動に弱い
人間は移動して
地震などもう忘れ
あそこでごちゃごちゃ
どこかでごちゃごちゃ
果ては
こんな生き方あるんやと
社会に矢を射る
空梅雨夏近し
いつもながら私のテーマは
移動の反対
今ここに居ながら
瞬間の永遠
もんぺと鍬なしで
魂の土壌耕す