2010年07月02日

おおもと

<おおもと>  記 中尾彰秀    詩人・ピアニスト・ヒーラー

  向こうの夜灯に群がっている
  数万の者ども
  離れているので安心していると
  またたく間にここの灯へ

  あまりの多さに
  町会長さんに連絡
  梅雨前のムッとする気候時
  白蟻は新たな木を求め
  巣立ちする
  食い尽くされた家は
  キック一発で崩れる

  出処の家主さん曰く
  前は〇〇さんの家やった
  〇〇さんの家は人間共々もうない
  蟻だけに責任は蟻にあり

  人間は滅びても
  蟻とゴキブリは滅ばへんで
  私の言葉

  百年千年万年先住動物の逞しさ
  我々人間は口開けて見守る
  今度はどこのパラダイスへ

  おおもとは地球にありて白蟻や

  最近癒し効果が認められてきた
  習い覚えたのでない地球を譜面にした
  我がピアノインプロヴィゼイション思い出す
  
    


Posted by nakao at 18:25Comments(0)芸術

2010年07月02日

鳥の重さ

<鳥の重さ>  記 中尾彰秀    詩人・ピアニスト・ヒーラー

  あなたの人生を至福にする百の詩集(56)

  「 鳥の重さ 」  井越芳子句集  フランス堂 2400円+税
                        2007年出版


  詩に俳句は含まれている。
  理解ある現代詩人にとってそれは常識。
  創造的な面白い句があれば、詩として私は愛する。

      天窓に冬の空あり待合室
      みずうみの音持ち帰る12月
      わたくしの暗きところに蜜蜂来
      五月雨や石はあかりのやうにあり
      みずうみの魚を濡らして桜南風
      降る雪や耳は眠りの外に立つ
      ふっと風なくなるところ寒紅梅
      はくれんの影もろともに天へ伸ぶ
        


Posted by nakao at 17:52Comments(0)芸術