2010年07月30日

音色

<音色>  詩 中尾彰秀     詩人・ピアニスト・ヒーラー

  ぴーーーー ぴーーーー ぴーーーー
  ふーーーー ふーーーー ふーーーー
  しゅーーー しゅーーー しゅーーー

  我が家の水流
  哀しき音楽
  配管の妙

  少しずつ形を変え
  水と言うものが
  どこか違うところに移動する
  
  川へ
  海へ
  天へ
  再び大地へ

  嬉しさも悲しさも
  たっぷりと含んで
  私は知っている
  変る時のその音色の意味

  いつしか
  私が私の身体を去る時
  どんな音を発するだろう  


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2010年07月30日

対等

<対等>  詩 中尾彰秀     詩人・ピアニスト・ヒーラー

  中途半端に昼寝したので
  しんどい身体のまま
  午後の外交の仕事に出る
  湿度そのまま懐に
  雨上がりの大地は
  再び蝉の饗宴
  永年の土中より出で
  太陽に驚く蝉の気迫たるや

  素知らぬ静かな心で
  一羽の赤とんぼ
  何を捜す
  ひょっとしたら私と同じもの

  いくつもの円描く白蝶
  草草のいとおかし香

  ほとんど笑っている風
  一握りポケットに入れ
  今日もこれから
  何かいいことあるだろう
  がんじがらめの仕事は
  もう止めたから
  君たちとほとんど対等に
    


Posted by nakao at 15:03Comments(0)芸術