2013年01月03日

葉の声

<葉の声> 詩 中尾彰秀               詩人・ピアニスト・ヒーラー

 珍しく
 地球の向こう側の国の
 テロのニュースのなかった
 ほの寒い夕刻
 いつもの道端に
 突如として現れた
 ハッとするような文様の
 一枚の枯葉を
 踏んずけて
 私は
 何かの用事で
 先を急いだ
 踏んずけた瞬間
 やあ
 その声の様な声を
 確かに聞いたが
 未だに忘れられない
 ゴメン  


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2013年01月03日

睡魔の言葉

<睡魔の言葉> 詩 中尾彰秀               詩人・ピアニスト・ヒーラー

 寝不足や疲れは
 なんと平坦な
 言葉であることか

 宵寝したくなる
 あの心地よい睡魔を
 私は愛する
 未踏の奥地へと歩を進める
 前世紀の探検家のごとく
 闇の粒子の仕組みの体験
 痛みならず快楽ならず
 源に溶ける恍惚
 闇とは
 音の門
 静けさ
 無限
 あるとない
 相矛盾するものは瞬間
 一つに

 睡魔の言葉は
 何と明確
 その明確さに
 私は私を委ねる
   


Posted by nakao at 20:49Comments(0)芸術

2013年01月03日

水玉と財布

<水玉と財布> 詩 中尾彰秀                詩人・ピアニスト・ヒーラー

 水玉が
 頭に
 胸に
 背に
 乗っかっている女の子
 関学?
 40数年前見覚えのある
 ぶ厚い入試問題集のコピーに
 いそしんでいる

 彼女まだだいぶ
 かかるんやね
 笑顔には笑顔を返して
 私はコピーを断念し
 正月に備える大晦日
 おもむろに入金機上に座す
 ショッキングピンクの財布
 水玉を一つ一つ食って
 光っている
   


Posted by nakao at 20:30Comments(0)芸術