2010年11月22日

奇跡の詩集(6)

<奇跡の詩集(6)>  記 中尾彰秀       詩人・ピアノ・ヒーラー

  「私が私になる」
  なんて表現は
  随分以前の詩で使った
  クルクルクル
  どこをどう回ってか
  今ではどこででも使われている
  世のキャッチコピーの元は
  案外詩人の詩であることが多い

  しかし 不思議なのは
  私が私であることに於いて
  私は私にほんの少しズレがあること

  常に私を見守る私の存在があり
  双方の波動調整をすることが
  精神や魂の宇宙一体なのだ
  
  私の本体は森羅万象である

  生きるとは命の源の掘り下げだ
  源に在る無限大の愛

  もとより私がかくなる私に気付くことは
  奇跡以外の何物でもない

         「 奴 」

<ころりしょん 音立てて この前 五十五になった これまで 一体私は
 何をしてきたんだろう 「岬公園」で 一分間 南海電車は静けさに包まれる
 
 右半分顔を 太陽に射られつつ 丁度詩集「えくしいね」の 「ジャズと蝉」
 読んだあたりで やってきた奴 奴は いつの間にか どこかから やって来
 たのではない 私と同時に 電車に乗っていたし 私と同時に 右足組んで
 「ジャズと蝉」を読んでいた カレーや中華を食すると よく下痢する過敏症は
 私であり 奴でもある 

 常にそこに在りながら  姿あらわにせず 生命あるところ どんなかたちにも
 なり いかなるかたちをも司る 静かな源のごとく>

       中尾彰秀第18詩集「龍の風」より
       A5版 27篇 128頁 美しい龍雲の写真表紙
       2007年出版 竹林館 定価3000円+税
       なおこの詩集には、「南方熊楠へのオマージュ」
       60分 13曲 著者によるピアノ即興CDが付属

(購入法) 郵便振替 森羅通信の会 00940-4-29604
               定価3000円+送料200円  


Posted by nakao at 17:45Comments(0)芸術