2012年03月09日

手と手、祈り

<手と手、祈り> 記 中尾彰秀             詩人・ピアニスト・ヒーラー

 風と
 光と
 呼吸
 の
 飛び交う詩集
 身体と心を透り抜けて
 ひたすらに
 笑いながら
 ひたすらに
 泣きながら

        「Joindre」

<結びあわせること。別々だったものを。運
 河が海と海を結ぶように。星と星とを結ん
 で星座を作るように。そこに関係が生まれ
 る。海と海はお互いを知る。星と星は新し
 い絆で結ばれる。その時初めて海は自分に
 ついて知るだろう。星は星の美しさに気ず
 くだろう。ジョワンドル、祈りのために結び
 合わされる手と手。>
             左子真由美詩集 「愛の動詞」
             竹林館 1500円+税 2010年  


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2012年03月09日

カラスの時間

<カラスの時間> 記 中尾彰秀            詩人・ピアニスト・ヒーラー

    「カラスの時間」

<カラスはふかい淵に棲み 時間を自由に 出入りする

 電信柱は中継点 ときには哲学者のかおで -----神は死んだ
 などといい まひるの空をかけのぼる

 つぎはぎだらけの マントをまとい 時間のギアをいれかえて
 千度の熱をあびにゆく 

 だから あんなに黒いんだ>

        上記 吉田享子詩集 「おしゃべりな星」より
        下記 中尾彰秀のごたく詩

      ちなみに人間は
      自分の時間を生きているのか
      あくせくと金儲けのために働いて
      時間泥棒されている人間
      情報はインターネットで
      何でもあると思い込んで
      大穴(片手落ち)を知りもしない
      人間様には
      一日を24時間と
      決めてしまった大罪がある
      実は25時間に近いのに
      2012年は4年に一度のうるう年
      2月29日があって
      失敗をごまかして許しを請い
      みんなでうるおううるう年

      カラスが神様になる年

       

        


Posted by nakao at 16:56Comments(0)芸術

2012年03月09日

ぽとり25号

<「ぽとり」25号> 記 中尾彰秀           詩人・ピアニスト・ヒーラー

 まことに
 何の当てにもお勉強にも
 ならないのが
 先立詩人有名詩人
 けなしているのではない
 けなしの対象にもならない
 普遍の畑にも至らぬ
 違う畑の言葉を
 偉い詩人だからと言って
 参考にはならないということ

 批評精神を
 きちっと持って
 読書なるものをする有名詩人たる
 武西良和氏は立派である
 生きることへの
 真摯な問い掛けを
 こんこんと持続しているのだ
 「ぽとり」25号 
 武西良和個人詩誌

     「鼓膜」

<買い物に行ったが 買いたい ものはなく 外に出た

 ぼんやり歩いていると トンネルに入った

 誰にも会わず 何も通らない

 大きな声で叫ぶと声は内部に 円形 に反響した

 トンネルは一気に 鼓膜になった

 誰の鼓膜だ

 聞くものが そこでは見えない

 声は外へ 抜けていって 明るい光が 吸い取ってしまった

 光が声を養分にしている>  


Posted by nakao at 16:29Comments(0)芸術