2013年03月20日
岡崎葉新詩集
<岡崎葉新詩集> 記 中尾彰秀 詩人・ピアニスト・ヒーラー
世界を至福にする百の詩集(9)
「春をいくつ」 岡崎葉詩集 モデラート叢書 2013年 定価1200円+税
20篇 78頁
問い掛けと抒情が美しく織り成す詩。
一人の内にある地球・宇宙
あらゆる存在の究極は光
真実を
詩で表すのは容易でない
生き方で実現するのは
さらに容易ではない
詩人は
その両方をやるべし!!
それが詩人。
何のために
人はこの世に生を得たのか
答えは生命の奥深さ自体にある。
「優しすぎてまぶしすぎて」
<人ひとりは ちいさな存在だと あのときまでは思っていた
地球の上から ひとりが去っても そのことに気ずかれはしないので
人ひとりは 一粒の実にすぎないと あのときまでは考えていた
地球に満ちる たくさんの知識に比べれば ひとりが成すものは
ささやかな収穫だと
けれども今日まで生きぬいて 実らせたものは ひとりひとりの謙虚さ
ひとりひとりの力の凄さだと あのときに気ずいた 優しすぎてまぶしすぎて
見えなかった陽のひかりにも>
世界を至福にする百の詩集(9)
「春をいくつ」 岡崎葉詩集 モデラート叢書 2013年 定価1200円+税
20篇 78頁
問い掛けと抒情が美しく織り成す詩。
一人の内にある地球・宇宙
あらゆる存在の究極は光
真実を
詩で表すのは容易でない
生き方で実現するのは
さらに容易ではない
詩人は
その両方をやるべし!!
それが詩人。
何のために
人はこの世に生を得たのか
答えは生命の奥深さ自体にある。
「優しすぎてまぶしすぎて」
<人ひとりは ちいさな存在だと あのときまでは思っていた
地球の上から ひとりが去っても そのことに気ずかれはしないので
人ひとりは 一粒の実にすぎないと あのときまでは考えていた
地球に満ちる たくさんの知識に比べれば ひとりが成すものは
ささやかな収穫だと
けれども今日まで生きぬいて 実らせたものは ひとりひとりの謙虚さ
ひとりひとりの力の凄さだと あのときに気ずいた 優しすぎてまぶしすぎて
見えなかった陽のひかりにも>
2013年03月20日
吉井淑詩篇
<吉井淑詩篇> 記 中尾彰秀 詩人・ピアニスト・ヒーラー
世界を至福にする百の詩集(8)
「野」 吉井淑 詩誌「きょうは詩人」 20号 2011年 400円
<いつまでも野を離れられないのは
どうやら風葬を見届けようとして
遠く広がる野も
夕陽の下では身一点
ほんのりと在ります
再び夕日を眺めに
生まれたがっているものたちと
夜には空の底深く沈んでいます
滑るように進んでいく弟の小さな棺
忘れていったボール
かすかに動いています
曲がった腰で走っていく祖母
弁当のない中学生のたかしの坊主頭
ぶらぶら歩いていきます
きつねの葬列も静かに通って
闇のむこうへ風が渡り
星といっしょに
野はゆっくりと傾いていきます
夜明け
朝霧をたっぷり吸って
ふくらんだ野に
産声がひとつ
野球帽の弟ももどってきます>
素晴らしき東洋の存在論・現代のヒーリング・宇宙一体
この世界、生死一体であることは
ごく自然のことである
久し振りに
魂のシャッキーとする
無駄のない詩
まるでこの前の邦画
「おくりびと」
慈しみに溢れた詩は
自動的に音楽を
構築する
世界を至福にする百の詩集(8)
「野」 吉井淑 詩誌「きょうは詩人」 20号 2011年 400円
<いつまでも野を離れられないのは
どうやら風葬を見届けようとして
遠く広がる野も
夕陽の下では身一点
ほんのりと在ります
再び夕日を眺めに
生まれたがっているものたちと
夜には空の底深く沈んでいます
滑るように進んでいく弟の小さな棺
忘れていったボール
かすかに動いています
曲がった腰で走っていく祖母
弁当のない中学生のたかしの坊主頭
ぶらぶら歩いていきます
きつねの葬列も静かに通って
闇のむこうへ風が渡り
星といっしょに
野はゆっくりと傾いていきます
夜明け
朝霧をたっぷり吸って
ふくらんだ野に
産声がひとつ
野球帽の弟ももどってきます>
素晴らしき東洋の存在論・現代のヒーリング・宇宙一体
この世界、生死一体であることは
ごく自然のことである
久し振りに
魂のシャッキーとする
無駄のない詩
まるでこの前の邦画
「おくりびと」
慈しみに溢れた詩は
自動的に音楽を
構築する