2015年03月05日

佐藤勝太新詩集

<佐藤勝太新詩集> 記 中尾彰秀            詩人・ピアニスト・ヒーラー

 地球を至福にする百の詩集(27)

 「ことばの影」 2015年 佐藤勝太詩集 コールサック社 2000円+税
                  B六版 192頁 76篇

     日常の当たり前のことを書きながら
     ふと辺り前でない何かに気付かされる。
     当たり前でない何かはどこから来るのだろう。
     当たり前でない何かはどこへ行くのだろう。
   
     当たり前である日々は何で成り立っている。
     当たり前であるのはいかなる理由からか。
     平凡とは当たり前であることなのか。
     
     普通にあるということは奇跡なのではないか。
     淡々と風刺と諧謔が・・・・・。
     実は闇を背負っている人間
     いかに闇を突破して生き抜き得るか。
     風刺の裏に深い愛が見え隠れしている。

     「魚と人間の境遇」

 <日本の首都の海 東京湾には 魚の宝庫のように
  さまざまな魚たちが棲んでいて 花畑のようなサンゴ畑の
  間を群れていた

  東京人の食べものの 富裕物の滓がプランクトンとなり 豊かな食餌となって
  魚たちは花の中で 幸せそうだった 

  荒廃する首都の中で 蠢く人間たちは 埃にまみれて右往左往
  食べるために汗を流して 幸せを探している>  


Posted by nakao at 18:04Comments(0)