2015年04月05日

笹木一重詩集

<笹木一重詩集> 記 中尾彰秀               詩人・ピアニスト・ヒーラー

 地球を至福にする百の詩集(34)

 「ちりん ちりん」  笹木一重詩集 2015年 銀河書房 1500円
                       A6版 128頁 28篇

       
        「イマジン-----地球」

<想像してごらん と ジヨン・レノンはうたった 国境のない世界を

 想像する 国境のない世界を

 地球上に生まれてきた人は 互いを尊重し 自分以外の人のために 
 知恵を出し合い 働き 誰もが生活の保障を受け 行きたいときに
 行きたいところに行き 住みたいところに住み うたいたいときにうたう
 人を殺すためのあらゆる武器を捨て・・・

 思い描くのは難しい パスポートなしでは 地球上をあちこち行くことは
 できない 国境線のために 戦争しか知らずに人生を終わる人がいる
 国境線はひとのこころのなかに現存し なお一層 鮮明にしたがってい
 る人たちがいる

 或る日 月から地球を見た映像にどきどきした あのきれいにみえる
 小さな星に 人が生きている 自分がいる

 ジョンが逝き 地球は何万回 廻ったことだろう 回っても回っても
 地球から争いは消えない  ・・・・・>

       平和は一体どこにあるのだろう
       平和は昔からも今も未来も
       外にはない
       平和は魂の本当の平和は
       昔からも今も未来も
       内なる永遠の魂にある
       たとえ自分のお国が今戦争していようと   
       
       ドゴンは宇宙は一本の紐と言い
       東洋のお国では永遠の魂の環と言い
       超科学ではメビウスの環と言い
       中尾彰秀の第32ピアノCDは
       「メビウスの花畑」(近刊)と言い

  


Posted by nakao at 17:53Comments(0)

2015年04月05日

中西衛詩集

<中西衛詩集> 記 中尾彰秀              詩人・ピアニスト・ヒーラー

 地球を至福にする百の詩集(33)

 「波濤」 中西衛詩集  2015年 竹林館 2000円+税 
                A5版 146頁 40篇

      世界を心の内側のものとして受け入れている
      それはやさしさであり、厳しさであり、 
      深さである。

      風景描写の間合いにある静けさに
      きっと読者は気付く。
      町に在りながら山にある魂よ
      山に有りながら空を呼吸する心よ。

      「風の正体」

<そっと戸口に立つと どこからか秋の気配がする

 うなだれた並木の 黄葉が音もなく落ちてゆく朝 自宅の二階で
 これといった身よりのない エアコンの嫌いな爺さんが ぽっくり
 死んでいった

 長かった暑さを 振り返るかのように さみしい時間が過ぎ去っていく
 さみしいということは 過ぎ去ることなのか あるいは 過ぎ去ったこと
 なのか あの雲は 長い航程をたどって どこまでいくのだろう
 行けども 行けども 空は果てしなく

 やがて雲は風を起こし せつない 雨をふらすであろう 行く手も分からぬ
 旅の終わりに 薄墨の闇がせまってくる>  


Posted by nakao at 17:08Comments(0)