2015年05月31日

サイレン

<サイレン> 記 中尾彰秀             詩人・ピアニスト・ヒーラー

 救急病院が近くにあるのだ
 何台も何台も走る
 救急車

 しかしどうも
 サイレンの音がいかん
 やたら
 乗せられる人にも
 近くの人にも
 不安を抱かせてしまうのだ

 生きようが
 死のうが
 安心立命の
 ソフトで優しい深い音楽を
 屋久島の自然音のような曲を
 かけていただきたい

 今にも倒れる人が
 回復することはあっても
 用もないのに電話して
 乗りたがる人が激増して
 この案は
 没にせざるを得ないが  


Posted by nakao at 16:57Comments(0)

2015年05月31日

降る

<降る> 詩 中尾彰秀            詩人・ピアニスト・ヒーラー

 雷を伴って
 降りに降った雨
 私はとうに気付いていた
 雨が止んで
 いや
 止む前から降り続けるひかりが
 私の体内に溢れていることを
 同時に
 溢れるほどの深い悲しみは
 遠い昔のことであったごとく
 かすかな感触を残し
 万象を抱く歓喜になって

 あるあるのだ
 流れ
 流れというもの  


Posted by nakao at 16:46Comments(0)

2015年05月31日

死を急ぐ

<死を急ぐ> 記 中尾彰秀            詩人・ピアニスト・ヒーラー

 親戚のおじさんは
 母のお通夜で
 酒を浴びるように飲んでいた
 末期なので
 好きなことをするのだという
 
 それほどまでに酒が好きなら
 いたしかたないのだろうか
 却ってマヒして 
 痛み止めにでもなっているのかも

 人間は確かに
 好きなことをすれば良い
 次に親戚に召集がかかるなら
 彼の式だろう

 何が好きか
 価値を決めるのは
 自分自身
 サルトルがそう言っている

 人間が生きる上での源を
 好きになるべし
 などと言ったら
 余計な御世話
 でも感情でなく
 それが波動の法則

 源を忘れ果てた現代人である  


Posted by nakao at 16:32Comments(0)