2009年09月09日

空前の大詩集

<<< 空前の大詩集 >>>    中尾彰秀詩集「レディナダ」
                        竹林館 2000円+税

 A5版、美装本、128ページ、33篇。
 あっ、この詩集は本当に醸し出している。
 美しき内なる大自然を。
 抒情を越えた、新たかな波動の地平を。言葉が
 既に、音楽となっている不思議を。
 表紙帯には、こうある。

        百千万の静けさ
        凝縮された
        たった一つのそれ

    詩人の喪失感はヒトが逃れ得ぬ予兆でもあり
    詩は穢れないがゆえのさびしさをもたたえている。
    が・・・エイッとどっこい吹き飛ばせ!
    宇宙の臍の緒をわしずかみにするこの筆致の迫力。

    平和を願う心をこめた空前の大詩集。

「・・・・・聴くことは 共鳴ること 古代より 確かにそうなのだった
     
     あらゆる存在は 内部の襞に隠し持つ 宇宙創世の響き------遠き声」
                             
                            「遠き声」

関西詩人協会会員、「詩を朗読する詩人の会”風”」世話人代表、E,P,P,代表
2007年「EARTHPOEM賞」受賞に輝く!!

  <レディナダ>   中尾彰秀詩集
(購入法) 郵便振替 森羅通信の会 00940-4-29604(おお供養を世に苦労多し)
                        定価2000円+送料200円
  


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2009年09月08日

詩誌「新怪魚」

<<< 詩誌 「新怪魚」 >>>  詩誌評 中尾彰秀   詩人・ピアニスト

 №111。和歌山を拠点とする歴史ある詩誌。今号は14名の参加で、16篇の詩。
 2009年4月。抒情やリアリズムに限定されることなく、様々な傾向がある。詩と
 言う表現によって、確たる意念を持とうとする姿勢が、全体として伝わる。明らか
 にあるのだ、文明や歴史や社会などと言う教科書から外れた、本当の、人間なる
 ものが。それを、詩とも芸術とも我々は称する。
 終章、山田博氏のエッセイ「運命の覚書」は、平和への願いを込め、戦争体験をリ
 アルに描く。定価500円
 
 北山りら 「サカナヲヤイテ」、上田清 「夕暮れのひかりの中で」、前河正子 「雑木林の
 風」、今猿人 「<Sixteen’s>より」、佐々木佳容子 「廻る」、岡本光明 「時間」、
 曽我部昭美 「名声」、桃谷延子 「豆まき」、井本正彦 「休息」、中尾彰秀 「駐車場」
 「足組み」、中川たつ子 「鳥の鳥(1)(2)」、くりすたきじ 「ブリキの金魚」、五十嵐節子 
 「我がふるさと」、岩城万里子 「海の縁」 

   発行所 「新怪魚の会」  くりすたきじ ℡fax073-454-2093
  


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2009年09月08日

詩誌<GAIA>

<<< 詩誌「GAIA」 >>>   詩誌評 中尾彰秀  詩人・ピアニスト

 「GAIA」№29  2009年秋 季刊同人詩誌 500円

 暮らしにおける様々の思念は、様々の詩を生む。我々の現実の生活は、
素晴らしき所が無限にあるが、考え直すべきも多々ある。何れの作も個性
的で自らのテーマを自覚している。地球への思いやりと、自然回帰だ。13
名参加の17篇。

 熊畑学 「亀裂」、海野清司郎 「湖水」、平野裕子 「揺藍の地」、猫西一也 「山里」
 水谷なりこ 「風景」「鉢植えのカーネーションに」、立川喜美子 「窓」、中西衛 「夏日」
 「道」、国広博子 「大切な居場所」、前田かつみ 「いつかの過去」「時間」、小沼さよ子
 「黒猫哀歌」、竹添敦子 「半身」、上杉輝子 「京都 白川」、横田英子 「鴉よ」「鳥たち
 の森」

     ガイア発行所  上杉輝子 ℡06-6872-2650
 
   


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2009年09月07日

石原裕次郎

<<< 石原裕次郎 >>>   記 中尾彰秀   詩人・ピアニスト
 
 現代、ほとんどの御方は、大学を就職の手段と考えておられる様だが、本来は何かの
研究・勉強の為にある。私は詩人と思っているから、6回生(自主的大学院)でありながら
、就職など頭になかった。昭和51年。このころ親父が亡くなるが、天才の行く道を誰も止め
られぬ。幸いかな、入学時価そのままで、国立大よりも安い学費の立命館(今は違う)であ
った。
 当時は、二つのバイトをしていた。牛乳配達と某ホテル(河原町三条)の配膳係。故石原
裕次郎氏に巡り合ったのはこの時である。
 美人女優数人に囲まれ、にこやかに何か喋りながら、彼は丸テーブルに着いた。何やらの
お祝いの大宴会。ウエイター、ウエイトレスでもある我々学生は、そそくさと礼儀正しく、コップ
皿、食事を習った持ち方で各席に配膳する。テーブルの設定や片付けも含まれるから、この仕
事はかなりの重労働である。それでいてシャキッとした態度が必要。
 これは自慢であるが、私は初日からとある秘訣を会得した。まだ残っているビールを素早く片
付け、その途上廊下の隅で、ラッパ飲みするのだ。十分な栄養補給イコール体力維持。で、そ
の日、素早い裏作業を済ましてから、会場に戻ると、同僚のひそひそ声がする。ぼくももらった、
私ももらっちやった、5000円。しもた(しまった)!さすが、有名俳優、チップを配っていたのだ。
  


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2009年09月06日

詩誌「PO」

<<< 詩誌「PO」 >>>   詩誌評 中尾彰秀   詩人・ピアニスト

    詩誌「PO」 №134、2009年秋号、定価840円

 今号の特集は「詩と音楽」。毎回テーマを決め、特集を組んでいる。詩投稿26人、
と詩誌としては多人数である。詩集評、詩の周辺、小説、芸能、エッセイと盛り沢山。
決して、抒情詩に限定されることなく、色んなタイプの詩が登場し、詩の全般を知るに
は最適の詩誌だ。
 特集である各音楽観は、詩とかね合わされ、詩人としての考察に溢れ面白い。西欧
音楽の認識と、作詞して鑑賞する立場に乗っ取っている。ちなみに、当方の関連性とし
ては、石村柳三氏の「声明」の考察。ピアノなる西欧楽器を使う、私の、声明のごとき、
シタールのごときヒーリング波動インプロヴィゼイションに重なっている。

  「PO」発行所 竹林館 ℡06-4801-6111 fax0648016112

  


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2009年09月05日

秋クシャミ

<<< 秋クシャミ >>>   詩 中尾彰秀  詩人・ピアニスト

   ファックショーン
   一声放つとこだます青空美術館
   皆一斉に目を醒ます
   リスは思い出したように鳴き出し
   蝉はまだ足らぬとばかり締めの鳴き
   城を隔てる通勤車の音はどんどん分厚さ増し

   和歌山大学教育学部はここにかつて在った
   実家は背中合わせの隣だから
   何度訪れ校舎や松林を眺め
   ガラス割りや松ぼっくり投げしたか
   そこに何らかの人為が働き
   ありったけの哀愁残し
   在るものが無くなり
   明らかな別の存在となったが
   ここに在る揺るぎなさを支える静けさは
   宇宙一体
   同じ静けさだ

   秋クシャミ龍雲ひとつ移動せず
  


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2009年09月03日

愛の扉

<<< 愛の扉 >>>   中尾彰秀ピアノCD
                  「月の雫をワイングラスで飲めば」
                  森羅通信の会出版、定価1000円

  ピアノ・ペトロフ、ソロ4分、2008年。この曲の解説として、ジャケットには
 こう記されている。
       
       「ふと擦れ違った少年は、訳もなく一人で微笑んでいた。
      私は引き込まれる、そのとてつもなく大きな扉に。
           人を手段とせぬ生命の扉。」

  奥深い哀愁に満ちたメロディは、一体どこからやって来るのだろう。自らを
 目的としたいのち。遙かな時の果てでありながら、正しくここである魂の故郷。
 出会った人全てが、愛しく思えてくる。音楽的には、癒し波動によって構成され
 た曲。何回も、何回もこの曲を聴けば、きっと世界は平和の愛に包まれる。

    <月の雫をワイングラスで飲めば> 中尾彰秀ピアノCD 全13曲、60分

(購入法) 郵便振替 森羅通信の会 00940-4-29604 定価1000円+送料200円
   


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2009年09月03日

始業式の日

<<< 始業式の日 >>>   詩 中尾彰秀   詩人・ピアニスト
                  2007年「EARTHPOEM賞」受賞、E,P,P,代表
              関西詩人協会会員、「詩を朗読する詩人の会”風”」世話人代表
                   既刊詩集19冊、既刊ピアノアルバム10枚

   学校の始業式は
   9月の前に
   多くの小学生は
   色とりどりの衣服で玄関を染める
   宿題詰め込みはみ出し
   意気揚々とおはようございます
   休憩時間の
   大声小声きょう声
   声に天使の羽根生え四方八方に
   インフルも鬱も大人の常識も
   思いっきり吐き出すのだ
   遙かな昔のお祭りの様な
   パワーの塊が
   ズラリ並んだ椿の柵越え
   地球もろとも踊り出す
  


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2009年09月02日

猫楠------南方熊楠の生涯

< 猫楠--------南方熊楠の生涯 >   評 中尾彰秀  詩人・ピアニスト

 先だっては、テレビでの「ゲゲゲの鬼太郎」(2)、主演・ウエンツ氏、に於いては、その
神秘性の妥当さ、表現のすばらしさ、出演者の匠さに驚かされた。その同じ原作者であ
る水木しげる氏が、南方熊楠の生涯を、その愛猫「猫楠」の眼を通して漫画を描いた。

    「猫楠------南方熊楠の生涯」 水木しげる  角川ソフィア文庫、660円+税

 この書で私は、十数回涙しつつ笑った。笑いつつも本質を得ている水木氏の力量に、
敬服した。知る人ぞ知る、南方熊楠の生誕地は、南海電車和歌山市駅の南300mに
あり、碑が建てられている。この文庫本の裏表紙には、極めて解りやすくこう記されて
いる。「没後半世紀を経てもなお、骨太で天衣無縫な南方熊楠の生涯は、人々の関心
を惹きつけてやまない。日本が国際化とはまだ程遠かった明治時代中頃に英国に渡る
と、<ネイチャー誌>に論文を寄稿し、大英博物館の属託となり、孫文と親交を深めるな
ど八面六腎の大活躍。帰国後も民族学や粘菌学の研究を行いつつ、神社合し令に反対
し熊野の森を守る運動の中心となるなど、時代の先を行く活動で世間を驚かせた。そん
な日本史上最もバイタりティに富んだ大怪人の生きざまを、妖怪博士水木しげるが独特
のペーソスを交えて描く。」  


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2009年09月01日

ふんふんふんなくなれー

<<< ふんふんふんなくなれー >>>  詩 中尾彰秀  詩人・ピアニスト

   雨の日も風の強い日も灼熱の日も

   立札の一筆は立つ

   近所の公園
 
   ふんふんふんなくなれー

   愛犬の糞を

   おみやげに置いて行く方への呪文

   そのお方はふんと素知らぬ顔する

   ちゃんとお話すれば

   ふーんと納得する

   「ふん」と「ふーん」の違いは

   紙一重で地球を廻る

   今でも世界のどこかである

   人間のいのちのなくなるふんそうもなくなれー

   一筆の力を信じる
  


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