2011年01月17日

POEMシュールロマンチシズム賞

<POEMシュールロマンチシズム賞> 記 中尾彰秀    詩人・ピアニスト・ヒーラー

            受賞者  飛鳥彰

 2011年1月23日 詩人 飛鳥彰氏に賞与させていただきます。
 「EARTHPOEMPROJECT」 代表 中尾彰秀

 飛鳥彰詩集 「大航海時代」 出版 紫陽社 1500円

 西欧の言語表現をしながらも、ギリシャの精神、存在の奥域の闇をも陽のエネルギーで
 取り囲んだ、東洋の「タオ」や癒しの波動に通じるなお、たっぷりな抒情の詩を展開して
 いる。そもそも我々は、表意識にのみ捕らわれた実存で、存在の奥にある無限を切り捨
 ててはならないのだ。
 彼自らの言葉には、こうある。「わたしたちの瞬間の生命の中に、地球や星や月や太陽を
 含む全宇宙のはたらきを包含している・・・・・・・・シュールロマンチシズムは生命の歓喜を
 基本とする。」

            「津軽の春」

<春は屋根裏部屋に苔を生やし 春は裏庭に花むしろをあみ 
 春は少女の腹部に潮騒をおこし 春は野面に髪の毛をそよがせ

 苔はおれの春を浸蝕し 花むしろはおれの春をおおいつくし
 潮騒はおれの春を野外音楽堂に仕立て上げ
 髪の毛はおれの春を牝牛の首にくくりつけ

 屋根裏部屋はおれを春の尻へと追い落とし
 裏庭はおれを春のつぼみの胸に涙させ
 少女の腹部はおれを春の書庫に幽閉し
 野面はおれを春の青い天蓋に押しあげる

 かくしておれは宇宙にふりそそぐ微塵となって
 あらゆるものにとっての光のこやしとなる>

       詩集「大航海時代」 <詩神の演戯>より
  


Posted by nakao at 18:18Comments(0)芸術