2011年04月18日

風は地球の弦

<風は地球の弦> 記 中尾彰秀            詩人・ピアニスト・ヒーラー
 
 みんなの人生を至福にする百の詩集(11)

 「宇宙の森へようこそ」  長谷川時夫著 地湧社 1988年 1800円+税
                
            「風は地球の弦を鳴らして遊ぶ」

<飛んできた枯葉を集めて、静かに風のおさまる時を待ち、円を描いて草むらに置く。
 またやってきた風に転がっていく枯葉。人為的に描かれた円形はくずれ、大地となる。

 ヨーロッパに向った時、ポケットには三万円のお金しかなかった。スウェーデンの近代
 美術館で行われる催しに招待されたのだが、英語もほとんどしゃべることができなかっ
 た僕は、まるでまったく環境の異なった水槽に移されて泳いでいる魚のようだった。

 しゃべることのできない日々に、考えることも減少した。そうしてできた心の隙間にふえ
 ていったのは見ること、感じることだった。そのような日々が過ぎていき、そして出会った
 のが風だった。

 風がこんなにもいつも自分の友として存在していたと、なぜ今まで知らなかったのだろう
 か。北欧の青い芝生の上に座って風を見ていると、木が------地球から生まれた木が風に
 踊っているのがわかる。枝葉がすべて違う踊りをする。風は地球を楽器として遊ぶ。枯葉
 のパフォーマンスを考えたのはその頃だった。

 人と話していようが、演奏していようが風は常にある。>

         20年前ブームになったこの本は教えている。
         地球宇宙一体の、心魂の豊かな創造的な
         暮らしをすることが大切であると。

         帯文にはこう書かれ。「地球の電気を消して
         月を待て」 都会の真ん中にいても、宇宙の
         森の一角。

         かつて著者は、前衛音楽グループ「タージマ
         ハール旅行団」を結成し、パフォーマンスを繰
         リ広げる。帰国後新潟に移住。自給自足の生
         活をしながら、音楽や絵の創作をし、フリースク
         ールを開く。なお、廃校を利用してミテイラー美
         術館を設立。
         

  


Posted by nakao at 18:09Comments(0)芸術

2011年04月18日

名詩批評

<名詩批評> 記 中尾彰秀            詩人・ピアニスト・ヒーラー

 「心情の微妙は、
 現代美術にも通じる。
 ちなみに、微妙はどこへ向かうのか。
 どこに実在するのか。
 虚に表裏一体である存在が
 言葉の微妙な表現によって
 実を成している。
 しかし、微妙そのものを
 目的にしてしまうと
 エネルギーの衰退となり
 引いては創造性弱小化の危険がある。
 要するに
 さらにその奥の
 本質である
 光や宇宙が欲しい。」

 これは、数年前にノートに私が記したもの。
 泥沼と屈折の心を良しとする
 かつての詩界の残存を
 目の前にして
 いかにも苦労した評である。
 その詩人は
 いい詩を書いているのだなと
 思わせるようにした。
 しかし、詩人にしか受けぬ
 いい詩を書くことなど
 全く意味のないことである。
 光と感謝と愛に包まれた
 単純でど太い人生を
 送るべし。  


Posted by nakao at 17:19Comments(0)芸術