2014年02月05日

オルトナスト詩集(続)

<オルトナスト詩集(続)> 記 中尾彰秀                 詩人・ピアニスト・ヒーラー

 「夢に燃える風のたてがみ」 ボルジギン・N・オルトナスト詩集 竹林館 2000年 2000円+税

        何故その道を選んだのか
        その道があったから
        それは答えではない

        神の掌のごとき風に押された

        人間の愛とは
        他ならぬ
        神の愛

        モンゴルと日本は
        結びついている
        相撲だけじゃないよ
        前世が日本人なんてね
        そもそも
        地球は一つ

       「夢一夜」

<「言葉の森から きみはどうして わが日本語に ひかれたのか」 と淀川に尋ねられた

 「はい、それの答えは 恩師みなさまの 笑顔でございます」 と僕はうなずいた

 海へ向かい淀川は ゆっくりと 流れを続けた 山へ向かい僕は もくもくと 歩きを続けた

 真実と思えば 真実だろうか

 十本の指の 激しいしびれに 目を醒ませば 朝日が 部屋いっぱいあふれ びっしょりと
 ぬれていた>  


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2014年02月05日

北山りら詩集

<北山りら詩集> 記 中尾彰秀                    詩人・ピアニスト・ヒーラー

 世界を至福にする百の詩集(62)

 「にじのはし」 北山りら詩集 2009年 竹林館 800円+税 42篇 122頁 ポケット版

        言葉のひらめきは
        魂のひらめき
        魂のひらめきは
        自らを救い
        他人を救い
        万類を救い
        地球を救い
        それは生き続けることの勇気
        それは生き続けることの優しさ
        説明を並べる雑文は
        知に止まり
        神秘や生命の内なるところに
        至らない
        ひらめきの玉手箱の詩集

         「夜桜」

<くらやみも ゆめをみる そっとひらく はなのゆめをみる

 ちりゆくはなも ゆめをみる くらやみに まいちるはなをみる

 やみにだかれて はなびらは よみがえる ひとつぶの ひかりに>

         「にじのはし」

<鈍色の雨雲に 穴があき ほんのり 明るくなる地上

 生まれて すぐに息絶えて 影がほしいとさまよう 子どもに
 あわい光が 手をつなぐ

 影のない子が 光の道にすくわれて のびやかにわたる にじのはし

 はぐくまれていた つかのまの記憶 しずかな安らぎに よみがえる

 空と地上をつなぐ なないろは おかあさんとつながっていた 命の帯>  


Posted by nakao at 16:13Comments(0)