2014年03月08日

田中宏和詩集

<田中宏和詩集> 記 中尾彰秀               詩人・ピアニスト・ヒーラー

 世界を至福にする百の詩集(66)

 「笑う月に果実の皮をぬぐとき」 田中宏和詩集 1995年 新風舎 定価1200円 B6版 
                                23篇 80ページ

           「宇宙から」

<宇宙からうつくしい声が ---------- さらさらさら------- 
 天女の衣の絹ずれの音が、 ---------さらさらさら-------
 青い月から甘い金米糖が、--------さらさらさら-------

 海からこぼれる星。 枯れている昼顔。 砂まみれの蟹。
 沈没する水平線の船。白い貝殻を赤いシャツの胸ポケットにそっと仕舞う。
 透けて見えている。 海を渡る白馬。     はやい・はやい・はやい
 過激な太陽。 突き刺す光は、魚を生き返らせる。 午後、俎板の上で腐る魚。
 血だけの夕食の肥満。 とてもやさしいナイフとフォーク。 毒を食う。

 燃えるきりん。 葡萄畑にゴルフボールが飛びこむ。プールで河童がおぼれている。
 缶コーヒーの空を拾う。 テニスボールの性欲。串刺しの塩焼鮎。刈り取られること
 のない稲穂。

     廃星が落ちる。     それから、また、昇る。

 パンツを履く猿。 パンツを脱ぐ人。 パンツを買う猿。 パンツを売る人。
 パンツが風に乗ってふわりふわり飛んでいく。

     透明の青空から、    天才少女の、   パワフルな   雅な音楽が、

 -------さらさらさら--------      --------さらさらさら--------
 --------さらさらさら--------       --------------さらさらさら-------->

        ダダとシュールと宇宙一体
        混在の面白さ
        混在はエネルギーのはじまり
        時に人間くさく
        時に聖なる

        馬鹿ばかりの有名詩人に認められなくとも
        自らの道を行って欲しい
        自らの才に気付く必要性
        橋本でお会いして以来10数年
        田中さんお元気ですか
        



                                 


Posted by nakao at 17:41Comments(0)