2014年05月06日

香咲萌詩集より

<香咲萌詩集より> 記 中尾彰秀               詩人・ピアニスト・ヒーラー

 世界を至福にする百の詩集(78)

 「私の空」 香咲萌詩集 2013年 土曜美術社 2000円+税 

     「蚯蚓」

<地面を掘り返したら 人差し指ほどの蚯蚓 除草剤を使わない庭には
 土の精霊たちが寄り集う

 黙もくと土を生み出す蚯蚓 みずみずしい肢体で 一路に邁進するから美しい
 神が創った傑作

 誰が云ったか下等動物と 土が死ねば 世界は滅びる

 残暑の厳しい八月 蚯蚓は炎天下の暑さに干涸びた

 蟻に食い千切られ 砂粒をまぶされて 泥紐になった

 蚯蚓は 黙って 土に還っていった 生命の母体になるために>

      みみずは土中の微生物を食べる。
      土は水分を含み故に蚯蚓は、みず
      水、みみず。農薬は微生物を殺し
      蚯蚓を殺し、ゆくゆくは人間を癌にし
      殺す。農薬を広めたシステムは、
      金儲けと裏腹に間接殺人を成し遂
      げた。詩は綺麗ごとではない。
      事実を知りつつも、さらにそれ以上の
      美しきことに癒されることである。

      ちなみに、EM微生物は微生物の
      大いなる良き利用で、土壌改良や
      人間の健康維持に、世界中で役に
      立てられている。知らぬは日本の
      官公庁ばかりなり。日本食の発酵
      食品は言うまでもなく。マクドナルド
      は養殖の蚯蚓だったかな?  


Posted by nakao at 17:27Comments(0)

2014年05月06日

通過

<通過> 詩 中尾彰秀              詩人・ピアニスト・ヒーラー

 区間急行という電車に乗ると
 一部は各停になっている
 つい先日
 気付いたのだ
 何百回となく通過しているのに
 目にするのは初めての駅に
 ただやたら申し訳なく
 合掌した

 目的を持つと
 つい見落としてしまうものがある
 見落としたからと言って
 責められはしないが
 責められぬことが却って
 墓穴を掘る

 私は私自身をとうに通過して
 地球一回り
 元のここに居る
 以前の勤務先の局長は
 お客さんの似顔絵を描いて
 人気を博していた
 絶対に普通車しか乗らなかった変人
 とうに私も退職したが
 今になって気持が良く解る

  


Posted by nakao at 16:46Comments(0)