2014年06月11日

河本澄一詩集

<河本澄一詩集> 記 中尾彰秀               詩人・ピアニスト・ヒーラー

 
 世界を至福にする百の詩集(89)

 「明日の詩の目覚めに」 2014年 竹林館 1500円+税 B6版 37篇 152ページ

      透明な心が浮き彫りにされる。
      美しき抒情は日々の暮らしに根付いて
      簡単明瞭な言葉はなお
      ロマン持つ平凡こそは至上であると。
      また宗教的な波動が好感をもたらし。
      80にならず故人となられたが
      いつかしらのイベントで
      見覚えのあるお顔
      私は決して忘れない。
      そして、”風”のゲストに
      呼んだことがないのは
      私の一大失策であると
      公言いたします。
      どこかの教会のような
      詩集表紙写真すごい!!

      「ほんの雨宿りなのに」

<雨はやんだのに ポツリ と落ちてくる

 風のせいだろうか どんな知らせなのだろうか

     あなたの目が暗くまたたく

 雨宿りにと駆け込んだ 木陰だったのです

 飛び立つせつなさを許してください あなたの雨しずくは重たすぎます

     私の羽根もこんなに重くなっています>

         


Posted by nakao at 16:47Comments(0)

2014年06月11日

加納由将新詩集

<加納由将新詩集> 記 中尾彰秀              詩人・ピアニスト・ヒーラー

 世界を至福にする百の詩集(88)

 「夢見の丘へ」 加納由将詩集 思潮社 2014年 B6版 96頁 35篇 定価2200円+税

       生きていることが答え。
       迷路は人間が作り出したもの。
       迷路をいかに超えるか。
       答えは生きていることの中に
       生きていることの
       生や存在や地球を突き抜けたところに
       いかに理知を超えた
       何かを見出すか。
       その困難さの中にあって
       執拗になされる自己凝視は
       ついに内なる声を・・・・・。

       「内からの声」

<あの声で目を覚ます 懐かしいようで 初めてのような
 鋭い声が聞こえる どこから聞こえるのか 誰もいない
 その声は聞こえ続ける 耳を澄ますと 中から聞こえる
 自分の内から 胸に手を当てると 声の響きを感じる
 この声は言っている 探せと 自分の水脈を探せと
 叫んでいる>
  


Posted by nakao at 16:14Comments(0)