2009年07月02日

中尾彰秀詩集<やあ>

 <<< やあ >>>  中尾彰秀詩集  新風舎 1400円  1998年6月

 かの万葉集で知らぬ人のない片男波から、東を仰いで、紀三井寺.名草山.遠くには龍門山.生
石山。黄色に世界は輝いて、まだうすらぼんやりしつつ、お日様がゆっくり顔を出す。早朝4時頃
起きて描き上げたと言う、中尾安希氏の表紙絵。これはひょっとしたら、世界の存在はクッキリ分
かれてはおらず、輪郭はぼやけ愛で結びついているという宇宙の深き真実なのではないだろうか
。カメラレンズのボケ味にせよ、犬などの動物にせよ、外界と自分の区切りが明確でないという。
9才を超えると人間はだんだん賢くなって、物事を明確に分析する。しかし、却ってそれは真実か
ら遠のいている。

    < 地球のすべての生命とあなたに贈る
    ---------- 永遠へと響く癒しの詩 >

 現代詩界に新たな軌跡を開き続ける
 待望の中尾彰秀第12詩集

詩30編。 秘法 呼吸 原態 青天の霹靂 キョトン そこにそれのある理由 ソムリエ犬
      共鳴 バラの絵 ギギギギギギ 生命力 ああ文明 火種 他

  < 秘法 >

何も言わず  ずうっと  そこに  立っている  宿しているの  野草よ  無数の平和  
ひとつの宇宙  限りない 静けさ  包み込む やさしさ  草一輪の 秘法のごときもの
そこにそうしてあるがまま瞬間  地球ひと廻りふた廻り  おっとっと もとの位置 何もせ
ずとも あらゆることやったに等しい風吹き 目前の断崖ものともしない 野草よ君がここに
辿り着いたのなら 私だって 今 ここに 辿り着いたのだよ どんな大きな心の傷だって
傷の磁場まるごと 星に変える秘法 確かに君は 星の雫一滴 右脇に抱いて ほんのり
立っている

(購入法)  郵便振替  森羅通信の会  00940-4-29604 定価1400円+送料200円
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Posted by nakao at 17:34Comments(0)芸術