2015年04月07日

来る人去る人

<来る人去る人> 詩 中尾彰秀                詩人・ピアニスト・ヒーラー

 滅多にない暇の
 暇つぶしに
 BGMに古いジャズをかけながら
 住所氏名名簿を
 整理していると
 すすっと風が吹いて
 来る人と去る人のあることに気付く

 元気であろうと
 病気持ちであろうと
 来る人は来る人だ

 一筋縄でいかないのは去る人

 元気であっても
 多忙の由来れぬ人
 病に倒れ来れぬ人
 住所をあの世に変え
 零体でしか来れぬ人
 興味が変わり
 別のことに励む人

 今あらためて思う
 シェーンカムバック
 去ることが
 果てしなく哀しく悲しく寂しいのは
 かくも去るとは
 多種多様であるが故

 私が私を去るのは
 永遠にないが
 私が私の神よりの借りものである
 肉体を去る時
 せめて一時間前に
 十人の愛人に
 涅槃で待っている
 お別れの電話しよう  


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2015年04月06日

喫茶輪

<喫茶輪> 記 中尾彰秀              詩人・ピアニスト・ヒーラー

 今村欣史という詩人が
 神戸か西宮かとにかく兵庫県にいる
 喫茶のオーナーだ
 
 彼のブログ「喫茶輪」に
 当方の新詩集
 「EARTHPOEMPROJECT-----風の起源-----」を
 載せましたよと通知していただきました。

 選んだ詩篇は「風の起源」
 一番濃厚な作です。
 及び、ピアノCD「世界詩産」も。

 最近は少し反省して
 この演奏は、全て、
 天降りのインプロヴィゼイションですと
 演奏時に言うようにしているのだが
 上手い演奏は
 いいとは思っていない。
 あくまで
 天降りインプロヴィゼイション
 音楽革命なのです。
   


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2015年04月06日

はだしの街

<はだしの街> 記 中尾彰秀               詩人・ピアニスト・ヒーラー

 地球を至福にする百の詩集(34)

 詩誌「はだしの街」 40号 2010年 発行人・田中国男 定価500円

       「畦道」    田中国男

<この畦道には ふたりの今日と明日があった ふたりの無邪気な 四季があったのだ
 
 この畦道には ふたりのひもじさを 追いこすほどのよろこびが かぎりなく遠くまで
 ひろがっていたのだ

 この畦道には おもいきりふたりの胸をひらく 約束がずっとこの先まで 
 公平につずいていたのだ

 だが ただ海をみるように 黙って死を急いだ きみ

 あれから この畦道には ばらばらに流れてゆく歳月だけだから またしてもきみに
 合図をかわさずにはおられない 

 きみよ 公平に思い出す畦道は もんここにはないのだと くるしくきみのいのちの影と
 雑草にかくれて この野を歩いていくしかないぼくの 時代に生きるさびしい決意だけだと
 ああ それだけが  たしかにつずく

 わかれて わかれて この畦道はどこまでもつずいていくのなら きみよ せめて公平に
 畦道の笛を 天上から大きく吹きならし 未来の平安を合図しつずけてくれよ>

         この詩は、磯山美術館研成ホールにて
         詩人本人の朗読と渡辺清堂による尺八奏
         セッションが行われたとのこと。
         すばらしい!!  


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2015年04月05日

笹木一重詩集

<笹木一重詩集> 記 中尾彰秀               詩人・ピアニスト・ヒーラー

 地球を至福にする百の詩集(34)

 「ちりん ちりん」  笹木一重詩集 2015年 銀河書房 1500円
                       A6版 128頁 28篇

       
        「イマジン-----地球」

<想像してごらん と ジヨン・レノンはうたった 国境のない世界を

 想像する 国境のない世界を

 地球上に生まれてきた人は 互いを尊重し 自分以外の人のために 
 知恵を出し合い 働き 誰もが生活の保障を受け 行きたいときに
 行きたいところに行き 住みたいところに住み うたいたいときにうたう
 人を殺すためのあらゆる武器を捨て・・・

 思い描くのは難しい パスポートなしでは 地球上をあちこち行くことは
 できない 国境線のために 戦争しか知らずに人生を終わる人がいる
 国境線はひとのこころのなかに現存し なお一層 鮮明にしたがってい
 る人たちがいる

 或る日 月から地球を見た映像にどきどきした あのきれいにみえる
 小さな星に 人が生きている 自分がいる

 ジョンが逝き 地球は何万回 廻ったことだろう 回っても回っても
 地球から争いは消えない  ・・・・・>

       平和は一体どこにあるのだろう
       平和は昔からも今も未来も
       外にはない
       平和は魂の本当の平和は
       昔からも今も未来も
       内なる永遠の魂にある
       たとえ自分のお国が今戦争していようと   
       
       ドゴンは宇宙は一本の紐と言い
       東洋のお国では永遠の魂の環と言い
       超科学ではメビウスの環と言い
       中尾彰秀の第32ピアノCDは
       「メビウスの花畑」(近刊)と言い

  


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2015年04月05日

中西衛詩集

<中西衛詩集> 記 中尾彰秀              詩人・ピアニスト・ヒーラー

 地球を至福にする百の詩集(33)

 「波濤」 中西衛詩集  2015年 竹林館 2000円+税 
                A5版 146頁 40篇

      世界を心の内側のものとして受け入れている
      それはやさしさであり、厳しさであり、 
      深さである。

      風景描写の間合いにある静けさに
      きっと読者は気付く。
      町に在りながら山にある魂よ
      山に有りながら空を呼吸する心よ。

      「風の正体」

<そっと戸口に立つと どこからか秋の気配がする

 うなだれた並木の 黄葉が音もなく落ちてゆく朝 自宅の二階で
 これといった身よりのない エアコンの嫌いな爺さんが ぽっくり
 死んでいった

 長かった暑さを 振り返るかのように さみしい時間が過ぎ去っていく
 さみしいということは 過ぎ去ることなのか あるいは 過ぎ去ったこと
 なのか あの雲は 長い航程をたどって どこまでいくのだろう
 行けども 行けども 空は果てしなく

 やがて雲は風を起こし せつない 雨をふらすであろう 行く手も分からぬ
 旅の終わりに 薄墨の闇がせまってくる>  


Posted by nakao at 17:08Comments(0)

2015年04月04日

陸橋の下で

<陸橋の下で> 詩 中尾彰秀               詩人・ピアニスト・ヒーラー

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 いつしか律儀に置かれた
 7台目は消え
 安定した黄金律の6台

 ほとんどの放置自転車は
 背後位がお好き
 真中1台のみ
 こちらを向いている

 つむじ巻き過去を浄化する後輪
 直に未来受けのけぞる前輪
 今の今 チャクラ上げるサドルは
 かの垂れ汁で見事に磨かれ
 前後何れかのタイヤは
 必ずパンクしているが
 パワーの証明

 春の梅雨
 本日も小雨
 陸橋の階段の下は
 雨を気にせず
 しかと雑草と苔を育成する
 昼間の強い光を
 淡く中和する役目
 この三角の角度は
 存在の源を原子転換し
 愛と平和の魂を放射
 宇宙一体システムの内包
 いつしか世界中の人々を 
 幸せにする
 人間文明の過剰生産と
 差別社会に警告を与えるべく
 
 それらはここを選んだ

 陸橋の下の空気の美味  


Posted by nakao at 16:40Comments(0)

2015年04月04日

ひらめき

<ひらめき> 詩 中尾彰秀            詩人・ピアニスト・ヒーラー

 私は確かに恵まれ過ぎていたのかも知れない
 どうして何をするでもない若かりしあの時
 判断出来なかったのだろう

 自ずと時が出す答
 黴の生えた一般論
 ではない

 人間中心の一方通行
 人生の目的目標
 でもない

 
 呼吸の裏白紙に書かれた
 サムシンググレート
 森羅万象の背ビレに記された
 サムシンググレート

 今ここに在ることそのものが無限
 瞬間と永遠の等しき
 成就であると
   


Posted by nakao at 16:15Comments(0)