2012年08月03日
真っ蒼な地球
<真っ蒼な地球> 記 中尾彰秀 詩人・ピアニスト・ヒーラー
みんなの人生を至福にする百の詩集(69)
「青空」 和田耕三郎句集 ふらんす堂 2007年 定価2600円
ばかばかしい説明言葉の多い現代詩に比して、俳句は無駄がない。
精神領域に至らぬただ短いだけの句が、ほとんどではあるが。
魂に至る句はすがすがしい。つい声を掛けてしまう私に私は気付く。
秋風をしきりに見つむ赤子かな
見えないのになにかある。それが風。古今東西永遠と瞬間を持っている
それが風。
夕しぐれ蒼き魚を焼きにけり
暮らしとは、弔うこと。万物は生死一如。ベナレスのごとく。
真っ蒼な地球に布団干してあり
摩天楼真向いにして茄子の花
夜の秋ねむりとは海に還ること
みんなの人生を至福にする百の詩集(69)
「青空」 和田耕三郎句集 ふらんす堂 2007年 定価2600円
ばかばかしい説明言葉の多い現代詩に比して、俳句は無駄がない。
精神領域に至らぬただ短いだけの句が、ほとんどではあるが。
魂に至る句はすがすがしい。つい声を掛けてしまう私に私は気付く。
秋風をしきりに見つむ赤子かな
見えないのになにかある。それが風。古今東西永遠と瞬間を持っている
それが風。
夕しぐれ蒼き魚を焼きにけり
暮らしとは、弔うこと。万物は生死一如。ベナレスのごとく。
真っ蒼な地球に布団干してあり
摩天楼真向いにして茄子の花
夜の秋ねむりとは海に還ること
2012年08月03日
月の川
<月の川> 記 中尾彰秀 詩人・ピアニスト・ヒーラー
みんなの人生を至福にする百の詩集(68)
「童子」 池井昌樹詩集 思潮社 2006年 2600円+税 A5版 141頁 47篇
「月の川」
<屁の足にもならない かわがながれている かわのうえには ふるいふるい それはふるい
はしがかかっている 乳母車をのばしたような ながいながい それはながい 御殿橋 めの
ようなその虫籠窓から さしのぞくのはだれだろう 彼岸からまた此岸から だれの眼と眼が
あうのだろう るいるいぞろぞろ 祖先がたから るいるいぞろぞろ 子子孫孫まで わらいな
がら なきながら なきながらわらいながら るいるいぞろぞろ わたりおえると ふるいふるい
はしよりふるい ながいながい はしよりながい かわがながれている 夜をこめて ひややか
に えみくずれながら (屁の足にもならない) かわがながれている>
至って実直な詩。秘密などどこにもない。
極めて冷静に科学的に宗教的に普遍的に描いた
屁の足などはにかんでいるが、もっと自分だけの
本質を入れる必要がある。
みんなの人生を至福にする百の詩集(68)
「童子」 池井昌樹詩集 思潮社 2006年 2600円+税 A5版 141頁 47篇
「月の川」
<屁の足にもならない かわがながれている かわのうえには ふるいふるい それはふるい
はしがかかっている 乳母車をのばしたような ながいながい それはながい 御殿橋 めの
ようなその虫籠窓から さしのぞくのはだれだろう 彼岸からまた此岸から だれの眼と眼が
あうのだろう るいるいぞろぞろ 祖先がたから るいるいぞろぞろ 子子孫孫まで わらいな
がら なきながら なきながらわらいながら るいるいぞろぞろ わたりおえると ふるいふるい
はしよりふるい ながいながい はしよりながい かわがながれている 夜をこめて ひややか
に えみくずれながら (屁の足にもならない) かわがながれている>
至って実直な詩。秘密などどこにもない。
極めて冷静に科学的に宗教的に普遍的に描いた
屁の足などはにかんでいるが、もっと自分だけの
本質を入れる必要がある。