2012年08月15日

机上に横たわる白い紙

<机上に横たわる白い紙> 詩 中尾彰秀             詩人・ピアニスト・ヒーラー

 何も思い浮かばぬ時は
 机上に横たわる白い紙を凝視する

 不可思議のメロディで
 渦巻く隙間風や
 キラリ輝く埃
 紙そのものが
 恐竜の化石を挟んだまま
 たわんで隆起することもある

 何をどう見ようが
 何がどう出ようが
 等しく
 森羅万象の背後の美しき物たちだ

 私の五体に入る
 虹を見た
 とだけ紙に記して  


Posted by nakao at 10:49Comments(0)芸術

2012年08月15日

屋根の翻訳

<屋根の翻訳> 詩 中尾彰秀              詩人・ピアニスト・ヒーラー

 屋根は
 雨除けの為だけではない
 太陽の光
 月の光
 星の光
 受けて翻訳している

 その言葉を喋るのは
 住んでいる人

 あのいかつい人は
 翻訳不十分
 火星の心のままだ
 あのふとした風情に覚えのある
 いとおしい人は
 上手に翻訳出来ている
 ひょとしたら同じ星にいたのか

 つい先だって
 なけなしのお金を出して
 積年の雨漏りを修理したが
 直してから後で
 気付いたのだ
 雨漏りは星の
 独り言だと  


Posted by nakao at 10:33Comments(0)芸術

2012年08月15日

一紙

<一紙> 詩 中尾彰秀               詩人・ピアニスト・ヒーラー

 グチャグチャに
 折りたたんで
 捨てるつもりの
 一紙
 何を書いたか
 再び開いてみると
 
 ありがとう
 捨てられても空  


Posted by nakao at 10:20Comments(0)芸術