2012年08月04日

驚くこと

<驚くこと> 詩 中尾彰秀             詩人・ピアニスト・ヒーラー

 避暑にどうぞと書かれた
 図書館の棚には
 やはり本が並んでいた
 眼鏡した若い女性は
 何か探しているのか
 目を見開いて
 驚いている様

 私は生来まじめだから
 図書館では決して探さない
 二重三重でどこかの偉い人が
 おごそかに選出し
 地球上で人間が一番偉い
 欧米的ヒューマニズムの画一が烙印されている

 出掛けしなふいに降ってくる雨や
 背を向けたとき吹き始める風や
 神様が選んだとしか言い様のない
 図書館出口に居座る
 二股の欅の大木に
 私は驚く
   


Posted by nakao at 16:49Comments(0)芸術

2012年08月04日

コンビニ

<コンビニ> 記 中尾彰秀            詩人・ピアニスト・ヒーラー

 詐欺を見抜いてか
 省エネを真に受けず
 キッチリ冷やしてくれている
 外回りの仕事中
 しばし体を冷やし
 外界の人間と交信を続けるには
 コンビニが一番

 テープレコーダーを
 脳の後ろに埋めているのか
 何も買わないのに
 ありがとうございます
 またお越しください
 少し申し訳ない

 現代っ子の合理主義が
 世界中のコンビニを育てた
 デパートのごとき品数の多さに
 目を見張るばかり
 つい先日
 違う系列の店二か所で
 メロンパンを食べた
 同じ味なのでガッカリした
 現代っ子と同じく
 個性の無さが
 コンビニの個性

 いっそ
 地元の詩人の詩集
 置いたらええのに  


Posted by nakao at 16:31Comments(0)芸術