2014年07月06日

名古きよえ新詩集

<名古きよえ新詩集> 記 中尾彰秀              詩人・ピアニスト・ヒーラー

 世界を至福にする百の詩集(96)

 名古きよえ詩集  新日本現代詩文庫116 土曜美術社 2014年 1400円+税

     哲学的考察は段々と
     世界と一体化するフィールドワーク詩に

     情緒や考察よりも
     フィールドワークこそが
     詩を超えた詩たる魂の具象だから

     アースポエム哲学とも
     それは言える
     そしてそれは決して
     社会現実を見逃さない

     「カンナの花」

<夏の太陽にまぶしげに咲くカンナ 花びらは絹かと 一枚太陽にかざす
 子どもの手のように

 こんなに烈しい暑さの中で 福島原発事故の放射能は見えない 内部被曝を
 した人が増え故郷を追われた人も数は知れない

 カンナの花を見ていると 人間が排出した科学汚染に恥じる 密かに死んで行く
 昆虫や虫もいる 目に見えない被曝が野山の草木にも及ぶ

 今年もお盆が近ずいた 仏壇に供える野菜や果物 悲しみは癒えず あの世から
 迎える大切な人

 ローソクの灯りを見つめると 次の世代が安全にと願う 人はカンナの花のようで
 あればいいのだ 生命の尊厳を守って 一つ一つ輝けば

 子どもは希望 悲しみを越えて育って行く 平和の鍵は目に見えないほど小さいが
 一人一人が握っている>
 
 
 
  


Posted by nakao at 18:10Comments(0)