2009年10月20日

あなたの人生を至福にする百の詩集(22)

<あなたの人生を至福にする百の詩集(22)> 記 中尾彰秀  詩人・ピアニスト

    「風になる前に」  藤本数博詩集  自家版 非売品

 がんじがらめに、門も扉も窓も閉じると、一見内なるものは凝縮されるが、人は、
呼吸できずに、却って心は浅くなり、健康にも悪い。心はやはり、開いてこそ、風は
自由に出入りし、そこから様々な深きものが出現する。
 
 さて、開け放たれた隙だらけの詩+俳句+散文集。その隙にある大自然。肩を
張る必要すらない、さあ!
 句は散文で解説されているが、とりあえず句から、想像力の修業を。

    氷河動く地球が食べるかき氷

    石鹸の毛は取っておく秋の夜

    竹の子を掘って皮剥ぐ人や鬼

    頭蓋骨へタクアンひびく春の粥

    おなごよりあなごが好きよ瀬戸の旅

    硫黄島の大儀に散るや山桜

    いっさいは壺に納めてちゃんこ鍋

  


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2009年10月20日

深き必然

<<< 深き必然 >>>  詩 中尾彰秀  詩人・ピアニスト

   偶然は
     たった一つたりとも
        この世にはない
           全ては深い処での必然なのだ

              2003年9月7日、第二回 「詩で遊ぼう会」
                 主催 関西詩人協会
                     於 「木村屋・バグース」 和歌山市和歌浦
                   ひんやりとした風が通過して
                海に差し向かいの
             中世の洞窟の様なスペース

          数篇の詩を朗読していると
        この前追悼会に行って来た
      故宮下冨美夫氏の曲
    後ろからゆっくりと流れる

       シュールな詩と
          ほんのり融け合い
             精霊白くちらほら
                空間が胎動する
                   声に羽根が生えて
                      ほらほら

                   その後 ひょんな事で
               その曲を流した人と奥さんと子供と
            知人になった

         バグース バグース おおバグース

      大自然の流れは
         神様にお任せして
            彩るのは
               人間だ

     
          


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